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詩:君と私のチューニング

君の隣を歩くのはこれで最後なんだ
なんとなくそう思ったの
君を長く見ていたから
終わりが見える
ああ 滑稽だな

ベンチとコーヒー
こんなありきたりなものが最後だなんて
夜が明ける前のシンとした空気は
夜を一緒に過ごした二人の気持ちを緩ませる
さながら媚薬のようだ
甘ったるい時間が鼻について離れない
「世界中で2人だけみたい」
どこかで聞いた歌詞を呟きながらキスをした

「もう 無理なのか?」
君が私を抱き締める
「もう 遅いよ」
抱き締め返そうと堪える手にくい込む爪

君と私の人生のチューニングが狂い始めた
あーーー、全っ然聞こえない
でもどんどん狂っていく音に
耳を塞ぎきれなくなった

遅いの。遅すぎたんだよ
君を長く見ていたから
チューニングがずれ過ぎた君との終わりなんて
もうとっくに見えていた
君は全く聞こえていなかったんだね
本当に滑稽だね

君はまた誰かと恋をする
私もきっとそう
でも今はそれを受け入れきれないな
叫んで叫んで狂った音をかき消したい

邪魔な水は全て落とし終わった
息を吐いて君を見上げる
最後に映る顔は笑顔でいたいの
...そんな私が1番滑稽だな



詩と物語を合わせたようなものです。
これも実体験を切り取ってみました。
何の歌詞かは有名なのでわかる方は多いかも。

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