わかりやすさの罪。
武田砂鉄さん「わかりやすさの罪」
Audible会費内で聞けたので、聞いてみることに。
最近文庫本になったようです。
どんな本か?
「わかりやすさの罪」というタイトル通り、
世の中は「わかりやすい」を求めてくるけど、そもそも、わかりやすく説明できることなんかないよね?というニュアンスの小話(?)が色々入った本。
クセがあるので好き嫌いあると思いますが、屁理屈とか言いがちな人は好きかも。よって私は好き(笑)
森博嗣さんのエッセイとか好きな人にもおすすめかも。
聞きながら思わずニヤニヤしたり、フフフとなったり、乾いた笑いが出てしまった一冊。
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で、本の内容をチラッと紹介。
世の中は、完成された「サンドイッチ」を食べたがっている。
サンドイッチというのは、食パンの耳がキレイに切り落とされ、食べやすい状態になって提供される。
でも、食べやすさを優先して切り落とされたパンの耳に目を向けてみると、パンの耳はそれはそれでおいしい。揚げて砂糖つけたら最高。
分かりやすいことって、パンの耳をごっそり捨てるってことなんじゃ?それって、どうなの?
というようなニュアンスのことが書かれていて、「いや、本当そうだな〜」と。
パンの耳ってさ、おいしいよね。←
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実際にnoteに毎日文章を書いていますが、特に疑うことなく「わかりやすさ」を念頭に置いている…つもり。
文章が長すぎると読みにくいかなーと思って、短くしたり。
色々書きすぎたかなーと思って、ゴッソリ消したり。
でも、ゴッソリ消したものは実はパンの耳で、揚げて食べたらめちゃおいしいのでは?と。
それ、自分で言う?って話ではあるんですが。笑
食べやすく精製された白米もいいけど、食べごたえのある玄米もおいしい。
飲みやすいミックスジュースもいいけど、果物まるかじりもおいしい。
食べやすい・飲みやすいものって楽だけど
楽にするために、大事なものまで削ぎ落とされている。それってどうなの?
…
そういえば、勝間さんも文章は
”短くすれば分かりやすい”というものではない、と言っていた。
勝間さんの文章は、一文が長い。
毎日購読しているサポートメールを読んでいるので慣れたが、決して万人が「読みやすい」と感じるものではないと思う。
でも、短くすることで必要な情報が削ぎ落とされて、結果誤った解釈がされることもある。
だからなんでも短くすればいいわけではなく、むしろ長く説明するくらいでちょうどいい、というような話をしていたと思う。
ただ、サンドイッチを食べることに慣れていてそれが当たり前だと思うと、
「パンの耳なんか、固くて食べられない」
と思ってしまうのかもしれない。
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サンドイッチを食べるのももちろんいい。
でも、サンドイッチを作ったり、その過程で出るパンの耳を「うまっ!」とニヤニヤと味わえる人でありたい。
そんなことを感じた本でした。