去られるためにそこにいる。
タイトルに惹かれて読んだ本。
臨床心理士の方が書いた本で、実際に行ったカウンセリングの様子から、子育てや高齢の親と関わりに悩む人への心の持ち方?のようなものが書かれています。
あ、kindleUnlimited対象本です。
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いわゆる「子育て本」のような本はあまり好んでは読まないのですが、
この本は、書かれていることがスッと心に入ってくる印象がありました。
私の偏見なのですが、カウンセラーと聞くと
「おだやか」「とにかく傾聴」
みたいな印象が強いのです。
全く悪い印象ではないのですが、勝手に自分との距離を感じてしまう。
だから言ってることが正しいとは分かっていても、心の奥で「ケッ」と思ってしまう自分がいるのです。
カウンセラーの方は心も視野も広いんだろうけど、私はそこまでのものを持ち合わせていないし、そこまでできないんだよ、と。
(偏見終わり)
ですが、この本はその「ケッ」という感情が生まれませんでした。
なぜだろう?
なぜスッと入ってきたんだろう?
おそらく、著者がカウンセリングをする中での自身の悩みも書かれているからかなと。
そしてクライアントの発言に対して思ったことも、正直に書かれている。
著者も悩みながらカウンセリングをしているし、クライアントに言ったことを、プライベートでは自身が出来ていないこともあるそう。
著者の本はこの一冊しか読んだことがないですが、おそらく誠実な人なんだろうなあと。
それが伝わってくるから、話の内容もスッと受け入れることができるのかもしれない。
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最後に本の内容について、一つだけ紹介。
それは、
「不登校という決断を過小評価しない」ということ。
すごく納得した箇所がこちら。
休む勇気がなかった。
これ、全く同じ経験があるのです。
中学3年の時、クラスに友だちがおらず、学校に行きたくなかった。いじめられていたわけではなく、ただ友だちがいなかった。
でも休んだら親が心配するだろうな…と思うと休めず、結局中学3年間皆勤賞…という話。
「心配するだろうな」という域を超えてまで行うことなんだから、やはりそのSOSは受け止めるべきだよなあと思ったり。
子育てが中心ですが、人との関わり全般に言えることが書かれているので、誰が読んでも学びがある本だと思います。
お正月休みの読書タイムにぜひ〜。