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voice_miwa0401
鍵のない夢を見る。
惹き込まれて、一気に読んでしまった。
辻村深月さんの短編集。
直木賞受賞! 私たちの心の奥底を静かに覗く傑作集
どこにでもある町に住む、盗癖のあるよそ者の女、婚期を逃した女の焦り、育児に悩む若い母親……彼女たちの疲れた心を待つ落とし穴。
これ、5つのストーリーで構成されてるんだけど…
どれも濃い。
めっちゃ濃い。
短編集だけど、どれもメイン張れるくらいの濃厚さ。
何が濃いって
ストーリーはもちろんのこと
「絶妙にイヤなヤツ」の描写がうますぎる。
「うわぁ…。こういう人、めっちゃいそう…」
絶妙すぎて
思わず眉間にシワがよる。
思わず失笑する。
歪んだ人格の描写がうますぎて、登場人物をかなりリアルに想像できる。
ほんとすごいよね、辻村深月さん。
…
で、どれも濃いストーリーだったんだけど
特に5つ目の
「君本家の誘拐」
リアルに状況が想像できて、鳥肌が立った。
念願の赤ちゃんだけど、どうして私ばかり大変なの? 一瞬の心の隙をついてベビーカーは消えた。
フィクションだけど、
ホントにありそうだな…と感じた。
主人公は30代の母親と、生後10ヶ月の赤ちゃん。
読んでいて、乳児期の育児の記憶が蘇った。
育児経験のある人はもちろん、
そうでない人にも、ぜひ読んでほしいなあと思う。
育児の大変さって、
色々な場所で、色々なスタイルで叫ばれていると思うんだけど…
これ、結構リアルだなと思ったよ。
…
読後も、余韻がすごい。
グワングワン。
<あとがき>
いつも思うんですが、辻村深月さんをはじめ作家の方って、一体何を考えてるんでしょうか。人間観察力・描写力が高すぎて、ホントすごいなと。
今日もありがとうございました。
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