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鍵のない夢を見る。

惹き込まれて、一気に読んでしまった。

辻村深月さんの短編集。

直木賞受賞! 私たちの心の奥底を静かに覗く傑作集

どこにでもある町に住む、盗癖のあるよそ者の女、婚期を逃した女の焦り、育児に悩む若い母親……彼女たちの疲れた心を待つ落とし穴。

Amazon説明より

これ、5つのストーリーで構成されてるんだけど…

どれも濃い。
めっちゃ濃い。
短編集だけど、どれもメイン張れるくらいの濃厚さ。

何が濃いって
ストーリーはもちろんのこと
「絶妙にイヤなヤツ」の描写がうますぎる。

「うわぁ…。こういう人、めっちゃいそう…」

心の声

絶妙すぎて
思わず眉間にシワがよる。
思わず失笑する。

歪んだ人格の描写がうますぎて、登場人物をかなりリアルに想像できる。
ほんとすごいよね、辻村深月さん。

で、どれも濃いストーリーだったんだけど
特に5つ目の
「君本家の誘拐」
リアルに状況が想像できて、鳥肌が立った。

念願の赤ちゃんだけど、どうして私ばかり大変なの? 一瞬の心の隙をついてベビーカーは消えた。

「君本家の誘拐」内容より

フィクションだけど、
ホントにありそうだな…と感じた。

主人公は30代の母親と、生後10ヶ月の赤ちゃん。
読んでいて、乳児期の育児の記憶が蘇った。

育児経験のある人はもちろん、
そうでない人にも、ぜひ読んでほしいなあと思う。

育児の大変さって、
色々な場所で、色々なスタイルで叫ばれていると思うんだけど…
これ、結構リアルだなと思ったよ。


読後も、余韻がすごい。

グワングワン。

<あとがき>
いつも思うんですが、辻村深月さんをはじめ作家の方って、一体何を考えてるんでしょうか。人間観察力・描写力が高すぎて、ホントすごいなと。
今日もありがとうございました。

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ようこ
チップとデールは、ディズニーのキャラクターであるシマリスの仲良しコンビです。私はチップ推しです。

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