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#小説
Word15 シャルル・ロロッテ
ベル達が話をしている同時刻。
神代七。全く偉そうに。THE偉そうにですわ。
でもそれももうお終い。あたくし達が文字通り消して差し上げます。
そして。魔女様。魔女様に会いたいがために支援者になったんですもの。絶対お会いしますわ。神代七なんかじゃなくあたくしが永遠に(あたくしが死ぬまで)お守りしますの。キャー!キュンキュンしますわ!もー胸が張り裂けそうなくらいキュンキュンしますわ!
魔女様を奪取する
Word 14 そしてまた少し曇る空
私がG太郎と話している同時刻。
【仲良くお話されてますね】
はるかのホワイトボード芸が火を吹く。
「ん?あぁ。仲が良いのは良い事だよぉ。仲が悪いよりずっと良いさぁ」
「ホントッスね。でもこうして離れて見てるとホントに世界を滅ぼす魔女なのかな?って思うッス」
「人は見かけによらないモンよ。あたしのアフロにナイフが忍ばせてあるなんて誰も思わないでしょ。このファンキーファンタスティックなヘアーにね」
Word 13 少し晴れる雲
私の心にはまだ少し雲がかかっている。
私達は森を進む。何事も無ければ3時間程で塔には着くらしい。休み無く歩けばの話。
何回休憩しただろうか。少し歩いては休憩。少し歩いては休憩。
私はたまらなくなってしまっていた。
「イズ?これって休まなくて良くない?」
「ラヴ?さっき休んだじゃない?」
何回言っただろう。
「魔女の護衛なんて神代七にとって最大のイベントなんでしゅよ」
「足が棒になっちゃうわ!BOU
ラヴ・ラヴ 過去の道標
アタシが最初に子供を保護したのはホンの気まぐれ。ホントに気まぐれだったのよ。今じゃ信じられないけどガキは大嫌いだったわ。うるさいし、役にたたないし、いる意味なんてホントに無い存在だと思っていたわ。ホントに。
アタシの親は愛に溢れた人だったわ。可愛がられた記憶もある。不自由は無かったし不自由があったとしてもそれも享受してたわ。アタシはバカだったから。親に愛されてるって思っていたわ。15歳でアタシが
Word 12 金星と涙と森の中
翌朝。
いつ寝たのか全く記憶に無い。私は床で目を覚ました。
ハルカ。なんて格好で寝ているの。色々こぼれてる。
イズ。ベッドでキチンと寝ている。THE寝相良い人!
私は寝るのが嫌いだ。息してるかしてないかの違いで死んでるのと変わらないとおもってしまう。
とりわけ夢を見るのは嫌いだ。
夢なんて得体がしれなさすぎる。デジャヴとかも気持ちが悪い。
ハルカとイズは何か夢を見たりしているのだろうか。
不意にハ
Word 11 あちらとこちらと
少し前
「あー。送り込んだ子達やられちゃったねー。オブザーバーが言ってるよーまぁ予想通りっていうか当たり前っていうかさー」
正位置、額、カチューシャの様にとメガネを3つかけた男は気怠そうに話した。
「まぁ良いでしょう。兵隊はまた増やせば良いだけの事。我々支援者の悲願。もうすぐ叶う手前まで来ているのですから」
執事風の男が丁寧な口調で話す。
「障害はめんどくさければ」
「めんどくさい程良い!!」
似
Word 10 私の。
ハルカが片付けをしている間。
G太郎に連れられて両足の無い男が地下室に運ばれて来た。
「連れて来たぞ」
「ご苦労でしゅ。そこに」
イズが指し示した所は椅子があるわけでもないレンガの床だった。
「ジョー?治療してやりなよぉ?」
キャピタルが男の方を憐れみに満ちた目で見ながら話した。
「了解ッス!ワード解凍!H!(ヒーリング)!」
男の両足が一瞬で生えてきた。言葉にするとそうなんだけど。最初からあった
ハルカ 桃太郎と鬼と私
当たり前の話ですが。私には父がいて。母がいます。父は日本という国で産まれて旅行者だったインテレクトの母と出会い恋におちた。そんなありふれた普通過ぎる程に普通の両親の元に私は産まれました。
普通でなかったのは母は父と私を微塵も愛していなかった事でした。
幼い頃。私は父の故郷で過ごしました。父の故郷はとても田舎の小さな集落でした。海が近く、海岸からは島が見えていました。
桃太郎という童話が日本には
Word 9 3分26秒間の出来事
賑やかな食事が終わった。
ハルカはぱたぱた忙しそうに台所と食卓を行ったり来たりしていた。
ジョーは納豆?という食べ物を珍しそうに混ぜていた。
イズは立膝のG太郎を注意していた。
ラヴはミョウガ?という食べ物を器用にはねていた。
キャピタルはお酒を呑んでニコニコしていた。
フェイタルレッドはあっさりマスクを脱いで食事していた。
私はあっさりした味付けの料理がどれも美味しくてずっと食べていた。お箸?の
Word 8 水星の宮にて
水星の宮に通されてから20分程が経過した。私達は待っている。
何を?
もちろん他の神代七の到着をだ。
一人一人集めて行くのが正当だ!と主張していたイズとジョーだったがハルカの
【うちに皆集まって合宿感覚で顔合わせ、一泊したら良くないですか?】
の1言であっさり
「確かにそうッス!」
「盲点でしたね。さすがムードメーカーでしゅ」
と決まった。
そんなバカな!普通にそれで良いじゃない!何が盲点!?とい
Word 7 神代七・水星
イズの宮でのお泊まり会?はとても素敵な時間だった。ばあやの他にもお手伝いさんはたくさんいて行き届き過ぎたおもてなしを受けた。
部屋はたくさんありましゅから。
の言葉通り有り余る程部屋があった。ジョーは全ての部屋見て回ったッス!と言っていた。
夕食も素晴らしく美味しかった。見た事の無い料理ばかりだったけど美味しかった。
意外過ぎたのはイズが眠る時に真っ赤なジャージで寝ていた事だ。
パジャマかなと思い
Word 6 神代七・太陽
この街は広くはない。太陽の宮は街の外れに位置している。基本的に皆用が無い限り近付く事はない。
道中ジョーに聞いたのだけど神代七に選ばれると他の人よりもそれはそれは良い暮らしが出来るらしい。
なのでその地位を奪おうと命を狙う者もいるらしい。
万一神代七がそれで敗れた場合勝った者と交代するようだ。ただ伊達に神の代わりの7人を名乗っているワケではない。負けたという記録は残っていない。
神代七は自分で辞め
Word 5 何も知らない
ジョーはニコニコしていた。お母さんはやれやれみたいな表情をしていた。
違うよね?私狙われてるんだよね?百歩譲って私狙われて無かったとしてこの状況はテロだよね?
「大丈夫よ!元とはいえ神代七で一番エロスで一番目立ちたがり屋の私がいる限り誰も傷つけさせやしないから!言っちゃった!嫁入り前なのにエロスの化身て言っちゃった!」
先生。大丈夫かな。Bのワードの男は困惑しながら周りを見渡している。ジョーとお
Word 4 式典の朝
朝が来た。昨日までの朝とは違う。私が私の一歩目を踏み出す朝だ。何となくだけど体が軽い。気持ちも晴れやかな気もする。まぁ気のせいなのだろうけど。
お母さんの言ってたワードを渡す儀式?みたいなのは終わったのだろうか。いつもより家が静かな気がする。まさか昨日の夜お母さんから話を聞いた時に頭をよぎった事が起きてるのだろうか。
ベッドからするりと抜け出し自室からリビングに繋がる扉に近付く。
うーん。聞き耳を