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2024年7月の記事一覧
Word 9 3分26秒間の出来事
賑やかな食事が終わった。
ハルカはぱたぱた忙しそうに台所と食卓を行ったり来たりしていた。
ジョーは納豆?という食べ物を珍しそうに混ぜていた。
イズは立膝のG太郎を注意していた。
ラヴはミョウガ?という食べ物を器用にはねていた。
キャピタルはお酒を呑んでニコニコしていた。
フェイタルレッドはあっさりマスクを脱いで食事していた。
私はあっさりした味付けの料理がどれも美味しくてずっと食べていた。お箸?の
Word 8 水星の宮にて
水星の宮に通されてから20分程が経過した。私達は待っている。
何を?
もちろん他の神代七の到着をだ。
一人一人集めて行くのが正当だ!と主張していたイズとジョーだったがハルカの
【うちに皆集まって合宿感覚で顔合わせ、一泊したら良くないですか?】
の1言であっさり
「確かにそうッス!」
「盲点でしたね。さすがムードメーカーでしゅ」
と決まった。
そんなバカな!普通にそれで良いじゃない!何が盲点!?とい
Word 7 神代七・水星
イズの宮でのお泊まり会?はとても素敵な時間だった。ばあやの他にもお手伝いさんはたくさんいて行き届き過ぎたおもてなしを受けた。
部屋はたくさんありましゅから。
の言葉通り有り余る程部屋があった。ジョーは全ての部屋見て回ったッス!と言っていた。
夕食も素晴らしく美味しかった。見た事の無い料理ばかりだったけど美味しかった。
意外過ぎたのはイズが眠る時に真っ赤なジャージで寝ていた事だ。
パジャマかなと思い
Word 6 神代七・太陽
この街は広くはない。太陽の宮は街の外れに位置している。基本的に皆用が無い限り近付く事はない。
道中ジョーに聞いたのだけど神代七に選ばれると他の人よりもそれはそれは良い暮らしが出来るらしい。
なのでその地位を奪おうと命を狙う者もいるらしい。
万一神代七がそれで敗れた場合勝った者と交代するようだ。ただ伊達に神の代わりの7人を名乗っているワケではない。負けたという記録は残っていない。
神代七は自分で辞め
Word 5 何も知らない
ジョーはニコニコしていた。お母さんはやれやれみたいな表情をしていた。
違うよね?私狙われてるんだよね?百歩譲って私狙われて無かったとしてこの状況はテロだよね?
「大丈夫よ!元とはいえ神代七で一番エロスで一番目立ちたがり屋の私がいる限り誰も傷つけさせやしないから!言っちゃった!嫁入り前なのにエロスの化身て言っちゃった!」
先生。大丈夫かな。Bのワードの男は困惑しながら周りを見渡している。ジョーとお
Word 4 式典の朝
朝が来た。昨日までの朝とは違う。私が私の一歩目を踏み出す朝だ。何となくだけど体が軽い。気持ちも晴れやかな気もする。まぁ気のせいなのだろうけど。
お母さんの言ってたワードを渡す儀式?みたいなのは終わったのだろうか。いつもより家が静かな気がする。まさか昨日の夜お母さんから話を聞いた時に頭をよぎった事が起きてるのだろうか。
ベッドからするりと抜け出し自室からリビングに繋がる扉に近付く。
うーん。聞き耳を
Word 3 お母さんの謳歌と私の謳歌
お母さんのワードと名前をもらう?私が?意味が分からない。
「あっ。お母さんのワードを2人にあげるのよ?」
お母さんそういう事じゃなくて。私だけとか2人にとかじゃなくて。
「気にしないで。双子を産ませてもらった母親の仕事だから」
黙って聞こうか。
「聞いてくれてありがとう。双子を産んだ母親は生の歌を持つ方に自分のワードと名前を託す決まりなの。いつのかも分からないくらい古い情報だけどそれが決まりなの。
Word 2 母との会話
学校を出て私は家に向かっている。先生の妙なテンションにあてられたからなのか明日で学校が終わって一人前になるという高揚感からなのか。私の胸はドキドキとひりついた様な感覚になっていた。ううん。どちらも違うの。分かってる。先生には話していない事があるの。今日聞かされたワードレスの話。心当たりがあるの。私は幼い頃から周りに比べてインテレクトとしての才能が欠如していたの。というか。才能以前の前に私に刻まれて
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