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言葉の宝箱0765【成長することによって、問題を受け止める体力や、冷静な判断力、発想を転換させる知恵がつく】


『ひかり生まれるところ』まはら三桃(小学館 2016/11/1)


赤ん坊の頃、思春期。事あるごとに神社の存在に助けられて成長してきた主人公の希美。大人になり夢を叶えて神職として神社で働く。彼女がある日ご神木のそばに見たものとは?主人公の心の葛藤と成長を神社の行事や境内で起こるさまざまな事件。生き生きと、そしてちょっぴりミステリアスに描いた神社を舞台に爽快で温かな青春物語。

・梗概に“神社で働く希美が心にずっと閉じ込めていた中学生時代の自分。同級生との再会をきっかけに、過去の傷がふたたび痛み始める。あのときの傷はもう癒えたと思っていたのに” とあり、

・あとがきには“思春期と呼ばれる、脱皮しかけの人たちの物語を描く中で、ひとつの物語の中で、ある程度の解決を見出しながら、「ここはもっとあとになって解決するんだろうな」という部分があるのは知っていました。問題によっては、どんなに努力しても、その場では解決しないこともあります。物語の中では、一定の解決にたどり着きながらも、同時にずっと先に思いもよらないタイミングがあって、もっと深い解決をみることがあるかもしれないことも、伝えたいと思っていました。最近、「時間薬」という言葉に出会いました。時間とともに病気や傷が癒えるように、時間が解決をしてくれる問題もあるということでしょうか。やさしいよい言葉だと感じ入りました。きっと時間薬の中には、問題自体を風化させる力だけではなく、人を成長させる成分も含まれているでしょう。成長することによって、問題を受け止める体力や、冷静な判断力、あるいは発想を転換させる知恵がつくのだと思います。だからもし、今、苦しく辛い場所にいて、明日や明後日では解決しそうになくても、いつの日にか、心が落ち着くこともあるということを、知っていてっほしいと思います P269” と記されている。


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