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言葉の宝箱0730【死ぬほど好きで本気でやっても、凡人には行き着けない領域がある】


『カンパニー』伊吹有喜(新潮社2017/5/20)


文中に“カンパニー”の意味がこう記されている
・カンパニーって会社の意味だと思っていました(略)仲間と言う意味もある。バレエ団をカンパニーというのは、会社というより、仲間という意味合いのほうを強く感じる P170
*合併、社名変更、グローバル化。老舗製薬会社の改革路線から取り残された47歳の総務課長・青柳と、選手に電撃引退された若手トレーナーの由衣。二人に下された業務命令は世界的プリンシパル・高野が踊る冠公演「白鳥の湖」を成功させること。主役交代、高野の叛乱、売れ残ったチケット。数々の困難を乗り越えて、本当に幕は開くのか?
人生を取り戻す情熱と再生の物語。

 ・死ぬほど好きで本気でやっても、凡人には行き着けない領域がある。
そこへ行けるのはほんの一握り、王者の才能を持つ人だけ(略)
努力と情熱だけでは頂点には立てない。行けるのはその手前まで。
極めれば、最後は生まれもっての才能だけがものを言う P123

・「生きていくのって、つらい」(略)
「・・・幸せと思うことが最近少ないだけです」
「それが、つらいという状態じゃないですか?」 P206

・口は嘘はつくけど、目は嘘をつけない。
楽しいな、とか、きれいだね、と思って見てくれてるのが伝わります P207

・子どもを産んだり、人を育てたりできる人は強い。
どちらもできない人間は仕事やプライベートが行き詰ると、
身の置どころが見つからない P222

・どれほど物を捨てて身軽になろうとも、積み重なった歳月は捨てられず、人は老いていく。行き着き先は孤独死 P243

・あがってる、と気付くだけ(略)
気付いたら消える。渦のなかにいるときは気づかない。
気付くってのは、渦の外に出るということ。
自分が今、どういう状態になっているのかを冷静になって考えれば、
渦から出られる P278



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