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言葉の宝箱 0222【尽くさなくては得られないものがこの世にはある】

『彼方のゴールド』大崎梢(文藝春秋2019/10/30)

出版社〈千石社〉で働く入社三年目の目黒明日香は
営業部からスポーツ総合雑誌『Gold』編集部への異動を命ぜられる。
拒否権を行使したくなるほどスポーツに疎い明日香であったが、
現場に通いつめ、
選手たちと真摯に向き合い続けるうちにスポーツの奥深さを体感していく。『プリティが多すぎる』『クローバー・レイン』『スクープのたまご』と
出版社を舞台にしたお仕事小説シリーズ第4弾。
『勝利の方程式』プロ野球、『水底の星』水泳、
『スタート・ライン』陸上、『キセキの一枚』バスケット、
『高みを目指す』サッカー、『速く、強く、熱く』水泳、6話連作短編集。

・この世の中、ノーリスクなものはほとんどないよね P17

・聞き方次第じゃないかな。
失礼はよくないが、選手の生の声を引き出すのが取材する側の仕事だ P35

・ここでしくじれば後がないというピンチではなく、
経験値を上げるためのチャンスとしてマウンドに立つ。
打たれても糧に、打たれなければさらなる糧に、
自分の中で積んでいく P44

・猫を被り続けているうちに、猫になれたらいいな P84

・服には、勝ち負けがないじゃない P85

・人の思いはいろいろだから、ひとり増えたらややこしくなるよ。
目指すものが微妙にずれてくることもあるだろうし、
三者の意見がばらばらになることもあるんじゃないかな P115

・どんなに混沌とした森の中でも、
気持ちを静めて足下を見れば白いラインが伸びている。
赤茶色をしたトラックに引かれた白線のように P118

・誰かの頑張りが自分の励みになる。
なぜ人はそういうふうにできているのだろう P175

・高い頂に登れるのはほんのひと握り。
でも登るために死力を尽くした人は、
そうすることで初めて得られるものを手中に収める。
尽くさなくては得られないものがこの世にはある P224

・誰にでもいくらでもやめるきっかけや理由はある。
続ける人の方が希なのだ P259

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