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@言葉の宝箱 1125【至らない部分があるのが家族です。その至らない部分を歩み寄って埋めていける集まりが家族です】

『交番の夜』名取佐和子(泰文堂2010/9/1)


閑静な住宅街にある鵜ノ森交番は何の変哲もない小さな交番だが、そこに勤務するリョウヒロこと了津寛子巡査は長身にカーリーヘアがトレードマークの不思議な警察官。女性ふたりの火遊び、家出少年の人探し、行方不明となった老人の捜索など、夜ごと交番を訪れる「人生の迷子」たちの悩みを軽々と解決してしまう。小さなトラブルの奥に隠れた「大切な真実」を解き明かす、何も「事件」の起きないハートウォーミングな「交番小説」。
『第1夜 師走の花火』『第2夜 弥生きょうだい』
『第3夜 さよなら、水無月』

・もうやり残しはありませんね(略)
また何か見つけてください。
やりたいことを見つけてください。
それが生きるということです P70

・至らない部分があるのが家族です。
血がつながっていても、いなくても、
その至らない部分を歩み寄って埋めていける集まりが家族です P130

・人間は強くもないですが、弱くもないのです P142

・悪にはたくさんの色や段階や手触りがあるからこそ、
警察官達は迷い苦しむ。
正論だけでは正義を貫けないからこそ、正しくありたいと望む。
後悔もなく生きるなんて、人間には不可能だ。
たくさんの曲がり角とたくさんの分かれ道を
越えて進んでいかねばならない。
たくさんの「さよなら」を経験しなければならない。
だから、生きているかぎり、後悔はなくならないのだ P230

・過去を過去にするためには、
一度ちゃんと光をあてなければならないのです P233

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