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言葉の宝箱 0361【正しい判断かどうか分らない。それでも、無謀であっても、無駄であっても、心を決めなくてはいけないときがある】

『風の向うへ駆け抜けろ』古内一絵(小学館 2014/1/12)


18歳の芦原瑞穂は地方競馬界にデビューした数少ない女性騎手。敬愛する亡き父親への思慕から競馬界に身を投じたが、彼女の受け皿となったのは今にも潰れそうな「藻屑の漂流先」と揶揄される寂れた弱小厩舎。そこにいる調教師、厩務員たちは皆それぞれが心に傷を抱え、人生を諦めきったポンコツ集団。弱小厩舎のため強い競走馬も持てず、更なる嫌がらせを受け、困っていた矢先に出合った一頭の馬。虐待により心身共にボロボロだったこの馬も懸命な介護と歩み寄りにより、生まれ変わったような素晴らしい競走馬に変貌を遂げる。当初は廃業寸前だった厩舎も瑞穂の真摯な努力と純粋な心、情熱から、徐々に皆の心は一つとなり、ついには夢のまた夢である狭き門、中央競馬の桜花賞を目指すまでになるが、その行く手には様々な試練が待ち受ける。温かな絆でつながった彼らの運命は?
偏見、セクハラ、虐待、裏切り、老い。様々な理由で心に傷を抱え、
人生を諦めかけている人間達の起死回生の競馬小説。
人は何歳からでも成長でき、人生は遣り直せる。人生への応援歌。

『卒業』『出発』『厩舎』『追憶』『初戦』『特別』『秘密』『真相』
『苦戦』『決意』『運命』『夜空』『調教』『能試』『認定』『遠征』
『女王』『反動』『傷痕』『挑戦』『桜花』の21部構成

・正しい判断かどうか分らない。
それでも、無謀であっても、無駄であっても、
心を決めなくてはいけないときがある P331

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