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言葉の宝箱1393【この時刻、まだ眠りつづけていたい、という自分の生理に逆らって無理やりに起きることが、自分を痛めつけることになる。自分を痛めつける以外に修業の道はない】


『北斗の人』司馬遼太郎(角川文庫:昭和45年4月30日)


・人間世に立つのは努力と腕によってであろう。
それを運や金主のあるなしに根拠づけるのは
世にやぶれた敗残者のたわごとだ P28

・人を屈せしめる根源は気魄のようであった P72

・芸の道をきわめようとすれば、はじめはすべて従順であるほうがいい。
しかしその時期を過ぎてなお従順であるのはばかだ。
ある時期がくればすべてに対してむほん人の旗をたてるがいい P89

・この時刻、まだ眠りつづけていたい、という
自分の生理に逆らって無理やりに起きることが、
自分を痛めつけることになる。
自分を痛めつける以外に修業の道はない P95

・一人の才能が土を割って芽を出し、世に出てゆくには、
多数の蔭の後援者が要るものなのだ。
ところが才能とは光りのようなものだな。
ぼっと光っているのが目あきの目にはみえるのだ。
見えた以上何とかしてやらなくちゃ、という気持がまわりにおこって、
手のある者は手を貸し、金のあるの者は金を出して、
その才能を世の中へ押し出してゆく P108

・人間は、生身の自分と世間の風聞で作られた自分との
二通りの人格を持って生きつづけてゆく。
その二つがあまりにもかけはなれた人間というのは、
よほどのろくでなしか、よほどの傑物か、どちらかだろう P376


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