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言葉の宝箱 0407【泣く人にハンカチを差しだすことが、相手への配慮とは限らない】

『エグゼクティブ・プロテキション』渡辺容子(講談社2011/6/30)


八木薔子はアメリカ最大の警備会社で要人警護を多く務めたエリートボディガード。帰国した薔子が人気マラソン選手、日比野真姫の警護についた矢先、コーチが刺殺される。さらに銃弾入りの脅迫状が届く事態に薔子は自らの髪を金色に染め、ハイ・プロファイル・プロテクションを実施、決死の行動をとる。ボディガード八木薔子シリーズ3作目、アスリートの声が聞こえる。文庫化にともない『要人警護』と改題。


・泣く人にハンカチを差しだすことが、相手への配慮とは限らない。
「気のすむまでお泣きなさい」と、
手からハンカチを取り上げて窓の外に投げ捨ててやることが
相手への心配りとなる場合もあれば、
泣き止むまで背中を摩る気配りもある P21

・「マラソンは難しい競技です。足が速いだけじゃ勝てない。
駆け引きをする知恵も要求されるし、執念も欠かせない。そして(略)
孤独との戦いです(略)
悔いを残さぬようにその日、そのとき、その一瞬を精一杯生きよ。
この言葉を知ってから、怖いものがほとんどなくなり、
トレーニングにも以前よりずっと集中できるようになりました。
今、この瞬間にすべてを賭けている人間ほど、強い者はいない」 P370

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