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言葉の宝箱 0588【ちょっとお疲れの方に】

『食堂かたつむり』小川糸(ポプラ文庫 2012/6/26)

文中には、こんな描写がある
・私は、山あいの静かな村で料理人になることが決定した(略)
恋人も含めてすべてを失くした傷は計り知れないけど、
それでもそのことがきっかけで、人生が大きく一歩前進したのだ P36

・私にとって、本当に心を許せたのは、
おかんでも同級生でもなく、この山の自然だけなのだ。
二十五歳になってあの頃より体重は増えたけれど、
それでも、昔と同じように木に登ることができた P39

・私は今、わけあって声がでないのです P42

*この小説の構成、設定に無理はないか?
の疑問は別にして、
言葉、声を突然失った場合、人はどんな対応をするのだろうか?
と改めて考えてみた。
まず自分、周囲の反応。棲む世界によって、違うとは思う。
善意の第三者が登場することで話は広がり、面白くなる。
話の展開は想定内だったが、善意の行動は擦り切れた神経を癒してくれた。

ちょっとお疲れの方にお薦めです。

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