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12年前の孤独のグルメ見て、定食の値段の安さにビビった話。
「いつか、死ぬほど後悔する時が来るかもしれない。けれど、それは今ではない」
私が孤独のグルメで一番好きなセリフだ。
第何話だっただろうか。ドラマの最後に、五郎さんがそうつぶやく。そのセリフに、当時就職活動をしていた身としては「コピーライターの道を選ぶ!後悔しても、それは今ではない?」なんて言って自分を鼓舞していた(実際に後悔するのはもっと先のことだった)
自由な男が好きだ。
自由でありながら、自分の美学を貫く男に憧れる。
「五郎さんのようになりたい」と思いながら、今では全然彼のような大人な男にはなっていない。飯だけバクバク食べて、ぶくぶく太るだけの男である。
孤独のグルメの映画を見た後、その余韻冷めやらず、ネトフリでドラマを第一期から見直していた。懐かしい。12年前の日本の姿。あの頃の自分はまだ夢がたくさんあり、未来に希望を抱いていた。松重さんもまだまだ若く、五郎さんの演技も探り探りなのが見て取れる。本当に素晴らしい作品だなと思いながら、涙を抑えて五郎さんの食事を見ていた。
第一話のやきとりもうまそうだったが、第二話の煮魚定食もうまそうだった。
ああ、懐かしい。
こんな男になりたかった。
仕事が出来て、自由に生きる五郎さんになりたかった。
そんな風なことを考えてみていると、ふと煮魚定食の値段が目に入った。
「煮魚定食 750円」
安っすい!!!
12年前の日本のご飯!!安すぎ!!
お手軽フードだったそばでも一杯500円くらいするし、この前食べたラーメンはトッピングなしでも1100円。
確か五郎さんご飯お代わりもしていたような…今750円では定食は絶対食べられない…
12年前。こんな日本になるなんて思いもしなかった。
自分が双極性障害になって、仕事もないまま育児しているなんてことも、考えられなかった。昔のビジョンボードとか見たら「みなとみらいで勤務しているコピーライターになって、広告の賞をいっぱい取る」みたいなことを書いてあったと思うが、どれも叶っていない。
「未来はわからないから楽しい」なんていう人もいるけど、わからなすぎると怖くて仕方ない。
もしかしたら、五郎さんのように個人でバリバリ働いているかもしれないし、病気で今まで通り家に一人ぼっちかもしれない。どうなるにしても、今行っていることが未来につながっていることは間違いない。
時々「このままでいいのか?」と怖くなる時がある。
ジャーナリングなんてしている意味があるのか?noteなんて毎日更新している意味があるのか?って。けれど、何もしないより全然良いと思うし、現にその二つを初めてから見えて来たことが多くある。
もし、死ぬほど後悔したとしても、それは今ではない。
神様から与えられたこの病気と共に、一歩一歩前に進んで行こうと思う。