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働いてる人にもニートにも幸せな人などいない。
「働くなんてな、やらなくていいならしないほうがいいんだよ」
昔、自転車屋でバイトをしていた。
バイト終わりにバックヤードで社員さんと話をしている時、ポロっと口にした言葉が今でも忘れられない。
大学を卒業してから自転車整備一本。
有名自転車会社に長年勤めて、居場所を新たに変えて社員になったスーパーエースさんだった。
殆ど家には帰らず、一台でも自転車を売ることを考えていたその人に、当時就活生だった私は聞いたのだった。「どうしてそんなに情熱的に仕事が出来るのですか?」と。
その答えが、これだった。
別に、この人は働く意欲があるわけでもなく、ただそうするしかないから働いてるという。周りの人が働いてるから、働いてる。みんながそうしてるから働いてる。そこに情熱など別になく、働かなくていいならそのほうがいい。そういって、タバコをうまそうにふかしていた。
それだけの理由で、あれだけ働けるのが私には意味不明だった。
私より10も20も離れた世代の人々は、根本的に合わない世代であることは確かなのだが、働くということに対して異様な姿勢を見せることに驚く。
働かなければ死だ。働かないことは罪だ。
そう言い聞かせて働いている大人を、どれだけ見て来たか。
私の父もそうだった。毎日毎日定年までの年数を数えて、浴びるように酒を飲んでいた。
「働く」ということを通じて幸せになっている人を私はみたことない。
働くことは最高!働きたい!と言っている人は、殆ど自己啓発書の中に出てくるカリスマ経営者ばかりで、周りには絶対いなかった。
大企業に勤める友人がいる。
彼も、睡眠時間は4時間だそうだ。
それ以外は仕事、飲み会、仕事、飲み会…
一緒に旅行に行った時は新幹線でも仕事をしていた。
システムエンジニアの友人がいる。
キン肉マン消しゴムが並ぶディスクの写真がlineで送られてきて「今日から3日間徹夜で作業だ!」といき込んでいた。
みんなはどうしてそんなに働けるんだ。
私にはわからない。
「働かないほうがいい」と言いながら、毎日血反吐を吐く思いをして自転車を売っていた社員さんの、気持ちがわからない。
しかし、今は働いていない自分が幸せかと言ったら、嘘になる。
むしろ、何かをしていた時のほうが健康的だった。
咳がとまらない。
うつがとまらない。
何週間も横になり続けてこのざまである。
働いている時は、咳が出ようが熱が出ようが出勤していた。
一体何が真実か?何をすればこの苦しみから逃れられるのか。
今日はもうここまでにする。
いつになったら元気になるのか。
もう一日横になっているのはこりごりだ。
もし、毎日更新が途絶えたら死んだと思ってください。