記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

「ダンまち」の物語は、「古事記」がモデルなのか?

個人的に、今期2024秋クールのアニメ覇権争奪戦はかなり熱い展開と思っていて、間違いなく、その中軸になってるのが異世界系ビッグタイトルマッチとでも言うべき

「Reゼロ」vs「ダンまち」


この両者の対峙である。

私はラノベを全く読まない人だから詳しいところを全然知らんのだが、でも識者に言わせると、今クールの「Reゼロ」「ダンまち」、この両作品ともが「物語における最大の見せ場」の章を今回もってきてるんだそうだ。
でも何でまた、そういうのが運悪くバッティングしちゃったのかねぇ・・。
いうなれば、オリンピックとワールドカップの日程がカブっちゃったような事態だろ?
これは偶然か、はたまた意図的なものか。
・・まぁ、わざわざぶつけるようなメンドくさい調整をするとも思えんし、たまたまバッティングしたんだろう。

「向こうに食われちゃったらアレだし、いっそのこと1クール放送遅らせてズラそうか?」

という意見も内部にあっただろうなぁ・・。
ただ、そういう「逃げ」はよくない、という結論だったのかと。

「Re:ゼロから始める異世界生活3期」

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか5期」

この両作品、ホントいいライバル関係だよね。

【開始時期】

「Reゼロ」⇒2012年(アニメ化は2016年)
「ダンまち」⇒2013年(アニメ化は2015年)

【累計発行部数】

「Reゼロ」⇒約1300万部(MF文庫)
「ダンまち」⇒約1700万部(GA文庫)

小説の売上では「ダンまち」の方が上回ってるみたいだけど、アニメの円盤売上では「Reゼロ」の方が上回ってるっぽい。

今までは幸いにも「直接対決」は避けられていたわけだが、それも人気声優水瀬いのりが「レム」⇔「ヘスティア」という両作品のメインヒロイン格を掛け持ちしてしまってることもあり、できればバッティングしない方がいいという思いは両制作スタッフ共通のものだっただろう。
で、今期はバッティングしたとはいえ、幸い「Reゼロ」のレムが昏睡中で、一個もセリフがないのが何よりの救いだよね(笑)。

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか5期」

さて、今回は「ダンまち」5期の方を取り上げてみたいと思う。

・・いやはや、今章はめっちゃキツい展開だわ~。
魔法の中でも、精神操作系、記憶操作系というのが一番タチ悪いと思う。
どんなに凶暴だろうと、物理攻撃の方がまだマシ。
主人公のベル・クラネルは、前章の第4期でもあり得ないほどの過酷な状況に追い込まれてたが、今回のはさらにそれを上回るほどの過酷さである。
それも肉体的にでなく、精神的にめっちゃキツくてヘコむ鬱展開・・。

これ見て私、あれを思い出したよ。
「涼宮ハルヒ」の劇場版、「涼宮ハルヒの消失」。
あの映画でも、物語前半のきょんの絶望感たるや、もはや直視できなかったもんなぁ。
私、こういうストレス系の攻撃、大の苦手である。

よって「ダンまち」につきましては、第5話をもって一旦視聴を中断することにしました。


いや、視聴をやめたわけじゃありません。
ただ、このままストレス抱えて毎週を見るのは精神的に耐えられないので、とにかく希望ある展開に転じるまで待ち(「涼宮ハルヒの消失」でいうと、きょんがハルヒのいる高校を訪れるあたり)、そこまで話数を溜めておき、ここぞというタイミングを見計らった上でイッキ見する形にしようかな、と。
・・えらいヘタレですんませんな(笑)。

美の女神・フレイヤ

で、今回のラスボスは美の神・フレイヤ。
彼女って、おそらく作中最強キャラの一角だよね?
もう、こんな大物と戦っちゃうの?
「ワンピース」でいうところの四皇クラス、もしくは三大将クラスだろうに、果たしてこんなのに勝てるんかいな・・。

ちなみにフレイヤは、北欧神話に出てくる神だという。
あれ?と思うよね。
そうなんだ。
フレイヤは北欧神話の神だというのに、メインヒロインであるヘスティアは「オリュンポス十二神」の一角、つまりギリシャ神話の神である。
この作品、北欧神話もギリシャ神話も、その他あらゆる神話の神々もまた、全部ごちゃ混ぜになってるみたいなんだ。
多分、これの作者の大森藤ノさんという人は、世界中の神話に造詣が深い人なんだと思う。

というかさ、この大森先生って、めっちゃ謎めいた人物らしいのよ。
本名や住所はおろか、性別ですら今なお分かっていないらしい。
ベル役の声優・松岡禎丞はプライベートで交遊があるらしいけど、彼もそのへんの詳細を明かしていないっぽい。
というか、ホントに実在する人物なんだろうか?
実はダミー作家(別名義で既に実績のあるプロの作家)という可能性もゼロじゃないと思う。
だってさ、大森先生にとって「ダンまち」はデビュー作らしいんだが、それにしちゃ、物語の完成度があまりにも高すぎると思わない?

・・あぁ、でも一部で「年齢は現在30歳前後」「性別は女」という噂もあるみたいだし、やっぱマジもんの新鋭作家なのかなぁ・・。
だとすりゃ、かなり凄い才能である。

<ギリシャ神話の神々>

ほぉ~、ヘスティアって、実は位の高い神だったんだね?

<北欧神話の神々>

中央がオーディン
上段左からトール、フレイ、フレイヤ
下段左からロキ、テュール、バルドル、ヘイムダル

さて、ここで「ダンまち」の登場人物たちのベースになってると思われる、ギリシャ神話、および北欧神話を検証していこう。
というか、私はこっち系に全然疎いのよ。
どっちかというと、こういうのはオトコよりオンナノコの方がむしろ得意な土俵なんじゃない?
正直、私は子供の頃に本で一度読んだきりで、何となく覚えてるのは

・ギリシャ神話は「ゼウス」が主神
・北欧神話は「オーディン」が主神


ということぐらいである。
そう、神の世界って、完全に「父系社会」なんだよね。

・・でさ、ここで皆さんも「あれ?」と思ったでしょ。
「ダンまち」の世界観って、全然「父系社会」じゃないじゃん、と。

見ての通り、「ダンまち」のギルドはトップに女神が君臨しているケースが非常に目立っており(もちろん男神中心のギルドもあるが)、必ずしも父系社会とはいえないんだよね。
むしろ、「母系社会」といった方がしっくりくるぐらいである。

で、仮にベースが母系だとしたら、「ダンまち」の世界観ってさ、ギリシャ神話や北欧神話なんかより、日本神話の方に近いんじゃないか、と。
なんせ日本神話はオーディンやゼウスなんかとは異なり、アマテラスという女神を頂点に据えた母系の世界観なんだから。
・・と考えた時、私はふっと思ったんですわ。

主人公・ベルって、「古事記」のオオクニヌシがモデルなんじゃないか?と。

「ラビットフット」こと、ベル・クラネル
「因幡の白兎」で有名なオオクニヌシノミコト

<ベル=オオクニヌシである6つの理由>


①両者とも、最初は弱小で、周囲から小馬鹿にされる系の存在だった

②両者とも、ウサギにゆかりがある(ベル⇒ラビットフット、オオクニヌシ⇒因幡の白兎)

③両者とも、偉大な神の孫である(ベルを育てた祖父=ゼウスだと冒頭から匂わされてるし、オオクニヌシもまたスサノオ五世の孫とされている)

④両者とも、オンナにめっちゃモテる(ベルのモテっぷりは今さらいうまでもないが、「古事記」を読むとオオクニヌシの方もまた相当なもんである)

⑤両者とも、地下迷宮を冒険している(ベルの冒険は今さらいうまでもないが、オオクニヌシもまた「根の国」という地下のダンジョンでスサノオから試練を与えられている)

⑥両者とも、常にオンナに助けられてコトがうまくいき、実力に見合わないほど出世が早かった(少なくともオオクニヌシは、最終的に出雲国の統治者にまでなった)

・・で、仮に「ダンまち」のプロットが「古事記」ベースだとするならば、この物語の最後のオチは「国譲り」になるかもな。

出雲の国譲り

<予想できる「ダンまち」最終章>

ベル、天下(セカイ)を取る

⇒しかし支配者になることを固辞し、セカイを女神(ヘスティア?)に献上する


なんかさ、そういう展開になるっぽい気がしない?

皆さんも「ダンまち」の物語解析の参考書として、一度「古事記」におけるオオクニヌシ出世の章を読んでみて下さい。
こいつ、大して最強でもないくせに、毎度オンナに助けられてご都合主義的にサクセスしていくんだ(笑)。

こいつ、まんまベルじゃん!


と皆さんも必ず感じるはずだよ。


いいなと思ったら応援しよう!