見出し画像

「春菊のナムル」と「おねだり上手」

サンタクロースに何をお願いする?

肩甲骨のあたりまで伸びた子どもの髪を洗いながら、それとなく尋ねてみた。彼女は目尻にシワが寄せて、かたく目を閉じている。何かを深く考えている気配が指先から伝わってくる。

巨大な熊の人形。ディズニープリンセスの衣装。子犬。ゲームソフト。きらきらしたアクセサリー。ファービー。おもちゃ。おもちゃ。おもちゃ。

いま、彼女はきっとトイザらスのカタログの中を飛び回っている。わたしを一番うれしい気持ちにさせてくれるもの。「わたしのプレゼントボックスに入るべき」ものはどれなんだろう。ひとつひとつを手に取り、真剣に品定めをしている。

そんな気配だ。

シャワーで念入りに泡を流し終えると、彼女は顔の周りの水滴を両手でさっとぬぐって目をあける。みずみずしい瞳で僕の顔を見る。そして言った。

「くるまがほしいの!」

…え?

「はは、はいはい。お家の中で乗れる、あの小さい車のことね?」
「ちがうよ!ドライビングできるね、はやいくるまがほしいの!」

父さんだって買ったことないよ。それ。
ぼくが呆然としていると追い打ちをかけるように続けます。

「パパとママにおねがいしたら、たいへんかなあ。っておもったから。おもったから、サンタさんにおねがいするの。ね!」

「……なぁーるほど、ねぇ。ありがとうねぇ。」


車を買わせた上に、お礼まで言わせるとは。
このむすめ。すでにぼくより数枚上手である。



さて、与太話もほどほどに。

トップの写真は「春菊のナムル」です。
旬の走りの春菊はくきまで柔らかくて歯切れが良く、噛むたび小気味いいですね。鼻から抜ける青々しい香りと、かすかな苦味が食欲を刺激します。これぞオトナの味。んー。たまりません。

作り方だって簡単。春菊をさっと茹でて、水気をよく切り、ごま油と塩と炒りごまで和えるだけ。あ、お酒の用意も忘れずに。

ビールも良いでしょうけれど、やはり日本酒が欲しくなりますね。葉物の野菜を食べると頭をよぎるお酒といえば、群馬県の浅間酒造が醸す「浅間山」です。

浅間山

浅間酒造公式ホームページより)

お酒だけで飲むとちょっとおとなしすぎるかなと感じるのですが、野菜と合わせることで印象がちょっと変わります。瑞々しい口あたりと程よい苦味、すがすがしい余韻が野菜の持つ風味をぐっと際立たせ、こんどは野菜の風味がお酒の旨味を引き出してくるのです。

「日本一野菜に合うお酒」を信条に掲げる浅間酒造のお酒。ぜひお試しいただきたいものです。

今日もお読みいただきまして
ありがとうございます。

あ、車は買っていませんよ!

それでは、また明日。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集