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お・寿・司・を 食わせろぉぉ~~!

ある眠れない夜のこと、夢現の頭の中ではこんな妄想が展開していた。

頭の中のお客さんが言う、
「さあ、仕事の話もここらへんにして、そろそろ飯でも行くか。何か食べたいものは?」

「さっ、魚!私、お寿司が食べたいです💗」

何故か20代くらいの若き日の自分は勢い込んでそう答えていた。(注:アラフィフのオバハン)


・・・あ~・・


私、寿司食べたいのかあ。

キットキトのホタルイカとか

キトキトをご存知ない方はこちら

きらびやかな鯵さんとか
脂が口いっぱいに広がるノドグロの炙りとか
ねっとりムチん、としたイカとか
トロンと溶ける甘エビとか
ジューシーに旨味滴るカニとか
こんなに大きいのにツブ貝とはコレ如何に(ツブ貝のツブは「粒」じゃありません「螺」貝です)
濃厚な旨味の塊、白子とか
もちろん富山と言えばブリでしょう

半分寝ボケた頭の中で架空のお客とやらをでっち上げ、都合よく自分を若返らせて茶番を繰り広げている自分を、冷めた目で見てるもうひとりの自分が冷静に分析する。

だ~~あ~~よ~~ね~~~。

こんなに長いこと日本に帰れてないしね~。

私は口いっぱいに広がる魚の脂や旨味や弾力、そして鼻から突き抜けるわさび醤油のパンチを妄想しながら眠れぬ夜を過ごし、そして朝が来た。

するとその夜!

ローカル回転ずし「争鮮」のシーフード盛Aと七味トロサーモンのテイクアウト。2パック合わせても100ドル行かない安さ!!
手前からタコ、しめ鯖数の子、煮ホタテ、サーモン、北寄貝、赤貝

旦那Kが、私の心を読んだかのように、お寿司のお持ち帰りを買ってきてくれたのです。

何コレ~以心伝心か?


 香港でも回転寿司は大人気でフロムジャパンとローカルとで玉石混合の競争が繰り広げられており、今ではスシローも進出してきている中で、回転寿司人気店として台頭しているのが「争鮮(ジャンシン)」と呼ばれる台湾の回転寿司チェーン。ここが、他店と圧倒的に違うのは、わかり易く揺るぎない価格設定。

例外なしのひと皿8ドル(約130円くらい)が売りのローカル回転寿司「争鮮」
ネタの種類はそんなに多くなく、人気のあるネタだけやってます、という感じ。
手前の黒に金筋が入ったお皿もその向かえに透けて見える金色に緋色柄の皿も、皿の模様や色に関係なく全て一皿8ドル換算。
この時のキャンペーン、おススメの巨大鰻は一個ですが、こうして二皿がプラスチックで繋がれた状態で回っています。つまりこれはこの一つで8ドル皿二枚分の16ドル。
この韓国海苔の上に乗ったウニという、軍艦でも握りでも巻でもない物体も一個だけで8ドル皿2枚の16ドル。

*ちなみにちょっと脱線で、私が物心ついた頃から寿司は二つで一貫でしたが、今は色々定義がブレブレなので、ここでは個数で表記しております。


正直、日本の皆さんはこの「争鮮(ジャンシン)」のお寿司のネタの質感を見て、こう思ったのではありませんか。

「・・なんちゃってくさい・・」

ちなみに同じテイクアウトのお寿司でも、こちらは日系スーパーの寿司盛り合わせ220ドル(約3500円)何だかネタの質感が違うよね~ときっと誰もが思いますよね。

もちろん。私も同じことを思いました。

しかも、かつてはローカルの回転寿司チェーン、ほぼ例外なく「安かろう悪かろう」「日本のお寿司ごっこ」的な、なんちゃって系が多かったという過去の歴史(あくまでも個人的意見です)。

そう、ある年の、あろうことか東京の築地市場の「初競りというご祝儀相場」で、マグロを1億5000万円という高値で競り落とし、並みいる日本人寿司職人を泣かせた香港のリッキー社長率いる「板前寿司」チェーンが現れるまで、ホントに香港の寿司は「所詮なんちゃってだな~」と思っていた私です。(て、もちろんリッキー社長の回し者ではありません)

あ~、そう言われればそういうニュースも見た記憶があるような…と言う方の為に、こちらにその当時の事も含めた、初競りに賭ける男たちの意地についての記事を貼り付けておきます。

ま、とにかく、去年初めてこの台湾回転寿司チェーン「争鮮」で、この見た目は限りなくなんちゃってに近いお寿司を食べた私はこう思いました。

「悪くない!」


見た目こんななのに全然美味しいじゃん!(←て上から目線?!)

喜ぶ私を見て、だからと言って食べる為に3時間近く長蛇の列に並ばねばならない「スシロー」にまでは行く気のないKは、その後も市内感染ゼロ期に数回連れて行ってくれました。

うん。悪くない。本当に悪くない!

でも、でもっ・・・そうよ、私は富山出の女~♪

一番手前は富山県の氷見牛(ひみぎゅう)炙り。
とにかく富山で母と外食する時に節約しようという気持ちは1ミリも感じていなかったあの頃。
母の定番ホタテマヨ炙り。肉と生魚と食べなかった母が食べられ寿司ネタはごく限られたものでしたが、富山でのお寿司はほぼ母と二人で行ってました。

富山って魚美味しいトコなんですよね~。

でも、実際富山県に帰っている時の寿司率はそれほどでもないのです。
友達同士で行くにはちょっと敷居が高いというか、友達とお喋りするにはポジションも不便というか、何かと手が忙しいというか、・・・いくら富山で安いからと言っても、やっぱり他のものと比べたら少し贅沢なお寿司はとっておきの存在。

とにかく桜が、寿司が、富山が、日本が恋しい・・・。この飢餓感から解放される日が早く来てほしいな~と思います。


おかげさまで



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ハザカイユウ
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