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北京語スピーチコンテストで勝ち抜く②

 大学の校内スピーチコンテストについては、所詮はまだちゃんと中国語を使いこなせてもいないキャンバス内の素人集団70名の中の一番と思われるかと思います。(もよろしければ見てください。)

そのご意見はご尤もです。

 しかし、逆に一般の外国語スピーチコンテストと言えども、結局は外国語を勉強した人が、身に着けた外国語レベルを競う場であり、会議などで「出来る事を前提に」話を進められ、外国語が出来るかどうかではなく何を話すか、という場とは、明らかに一線を隔します。

スピーチコンテストは話す内容も勿論大事ではありますが、あくまで身に着けた外国語をどこまで流暢に使いこなせるか、という土俵です。

そういう意味で中国語学科というのは、4年間を中国語の習得を必要最低限の条件として勉強している集団です。私の無名の私立大でも、そのカリキュラムは完全に見事なまでの中国語漬けでした。

私の大学では、外国語学部は英語と中国語がありました(東京の英文学部に落ちた私ですが、それで、なし崩し的に中国語という事ではなく、この大学でも英語を勉強しようと思えばできたけれども、中国語を選択したのです。)

外国語学部の生徒は二年生の夏休みになると、大学側のカリキュラムの中に、短期留学というのが組み込まれていて、一か月半の夏休みに学科全員で留学に行くのです。

中国語学科は全員で北京大学に留学に行きました。

やっぱり現地に行って、自分が直接その会話に入るかどうかにかかわらず「言葉のシャワーを浴びる」事で、語学力は飛躍的に、格段に、桁違いにアップします。

つまり、中国語学科を出て中国語が話せない、という事はありません。それは第二外国語で勉強するレベルとは、全く違います。少なくとも私の大学では喋れないまま終われるという設定は成されていませんでしたし、同級生の中で喋れないまま卒業した、と言う人はおりません。

 勿論実力差にバラつきはありましたが、中国語学科というのは、中国語学習に特化した種々の訓練を受ける集団ですので、第二外国語でやっていた、と言うのとは掛けてる時間も労力も全然違います。

それはさておき、4年間通して、ずっと私の頭にあったのはK先輩のスピーチの在り方でした。

身振り手振りはパフォーマンスを大袈裟に演出する為ではなくて、必要な時に入れれば良くて、観客がより入り込める為のリード線となる効果を発揮できるなら入れればよいという事。

後は、声の張り方、心地よいスピード、口調やメリハリで観客は充分引き込めるという事。

大学時代のスピーチコンテストは、それはそれで私の殻を破ってくれ、勝ち方を教えてくれた貴重な経験でした。

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 社会人になり、北京語からすっかり離れてしまっていた情況で出た香港の北京語スピーチコンテストというのが2007年に一回だけありました。香港職業訓練局という政府の機関が開催したものです。

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今思えばちょうど中国返還10周年記念イベントだったのかもしれません。

 香港は返還後、それまで英語教育がメインだったのが、北京語教育に切り替わっていく過渡期だったので、普通語教育浸透に向けての振興活動の一環なのか、外国人部門、推薦枠、社会人部門、学生部門の4部門で総勢400名近くの参加者が、予選、準決勝を勝ち抜き、各部門5名ずつ選抜されて決勝に臨む、という結構盛大なコンテストでした。

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400人近い参加者の予選は夜間にどこかの中学に行って、一人ずつの面接形式で、3人くらいの内陸出身の面接官から色々質問されて、それに北京語で受け答えする、というものでした。

後日SMSで予選通過の連絡が来ました。

準決勝の時点で各部門10人計40人。予選からは10分の1に絞り込まれています。そこから決勝に進む5人を選抜するのですが、決勝さながらにどっかの学校のステージで登壇スピーチをする、という形式でした。40人のスピーチで結構長丁場でした。

準決勝でも順位がつけられ、この時点で外国人部門一位はアメリカ人男子で私は二位でした。

やっぱりスピーチコンテストなので、発音の正確さもさることながら、パフォーマンス点なのです。

ちなみに、外国人部門で決勝に残ったのは、日本人三人、韓国人一人、アメリカ人一人でした。私以外の日本人は留学中の学生さんでした。

このアメリカ人対策をしないと、と私は思いました。

白人という見た目のインパクトは「女性だけのヘヴィメタバンド」というのと同じで、同じ事をやっても、どうしても実力より割り増しで見てもらえます。そして外人ならではの大袈裟でコミカルなパフォーマンス。

それと対抗する為にどうしたものか・・・、私は考えました。

しかも、私と韓国人以外は明らかに若い!

アメリカ人男子の横には先生らしき男性がいて、日本人留学生の女子二人も学校の先生に決勝用の原稿を指導してもらう、と言います。

あ~、皆後ろ盾いるんかい・・。会社員の私には一緒に原稿を考えてくれたり指導してくれたりする先生いないんですが・・。



 ・・・と!そこへ



Toastmasters International(国際演講會)と言う北京語で講演する練習ばかりしている集団が私に声を掛けて来たのです。

続く→

ごめんなさい。2000字越えてしまったのでもう一回だけ分けます。(2000字越えたというより、この先更に2000字以上になりそうなので、さすがに5000字近い記事になってしまうと読むの大変そうなので・・・。)

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