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”書は景色”~書の見どころ3つ!~
こんばんは、チーママやよいです!
コロナで引きこもっている間に
9月も3分の1が過ぎていました。
道理で秋を感じるわけですね。
秋になると栗やお芋のスイーツがずらっと店頭に。
つい手に取ってしまいます^ ^
先日はこちらのスイーツを。
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スイートポテト!
もうこれだけで
手に取らないわけにはいきません。
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中はとろとろ
お芋の自然な甘さが詰まった
スイートポテトでした。
裏もみてみましょうか。
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地元ならではのスイーツなんですね。
ガーデンの人、どこでこういうスイーツを
探してくるんだろう
といつも思います(笑)
東京の書道教室 書道のはな*みち 主宰 スパルタ書道家 高宮華子先生の双子の姉、はな子ママのラジオ番組「はな子ママのお部屋」を聞いて、学んだこと、気づいたこと、感じたことなどを愛弟子兼チーママやよいの独自の視点も加えて書き連ねていきます。はな子ママのお部屋のnote支店としてもご活用ください。
はな子ママ、華子先生のことをもっとお知りになりたい方はこちらにアクセスしてみてくださいね。
書道のはな*みち きれいな字が書けると人生はもっと美しくなる
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9月はじめにかけて、東京で読売書法展が開催されていました。
わたしの師匠である華子先生の作品も展示されているので、見に行くのを楽しみにしていました。
残念ながらコロナに罹患してしまい行くことはできなかったのですが、
書道展などで書の作品を鑑賞するときのポイントを本日はお届けしたいと思います。
来年はこのポイントを思い出し、鑑賞したいと思います。
書にご興味がない方も必見です!
この記事を読んでいただいた後にはきっと書の作品を鑑賞したくなるでしょう。
また読売書法展はこれから日本全国で開催されますので、
お住まいの地域で開催されていましたら見に行かれるのもいいと思います。
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”書の見どころ”
1つ目の見どころは、字面(じづら)
書の作品を見ながら、
「この字(詩)はなんて読むの?」
とみなさんよく聞かれます。
でも、読めなくても全然いいんです。
もちろん自分が好きな詩を選んで書いている先生や、
伝えたいメッセージを書いている先生もいらっしゃいます。
”読めないものは読みたくなる”というのが心理でしょう。
あるいは、読めないものは理解できないので見てると苦痛、
ということもあるかもしれません。
読売書法展では読める書への挑戦をしています。
いわゆるなんて書いてあるのかわからない作品ばかりではなく、
調和体(小学校3年生以上が読める漢字を使った作品)
への創作意欲を高めて、新しい歴史を作ろうとしています。
ここで、ずっと疑問だったことがあります。
書道家はどうやって書く字を決めているか、です。
書道家は作品を書くときにまず詩を選ぶところから始めます。
どの字を書こうか?
中国の漢詩にしようか?・・・
選文(せんぶん)といって文を選びます。
実は、詩の意味よりも字面といって、
作品の真ん中にいい字がくるかどうかで詩を決定しているというのが
本当のところです。
華子先生もこれまでにたくさんの作品を書かれてきました。
2×8尺、通称”二八(にはち)”と呼ばれている大きな作品を書かれることが多く、これは、40~50字の漢詩から構成されています。
例えば、50字の漢詩を3行に分けて書く場合、
まずどうやって行割りするかを考えます。
だいたい1行目は18字、2行目は17字、3行目15文字となります。
3行目は最後に落款(らっかん)(作者の署名、捺印)を書くので、
そういったことも考えて、他の行よりは字数が少なくなっています。
イメージしにくいかもしれませんが、この場合、
大きな紙に漢字が3行書いてあるのを想像してみてください。
そして、2行目の上から1文字目から7文字目に注目してみてください。
自然に目に飛び込んでくるかもしれませんが、
詩の始まりから数えると19~25字くらいのところが目立つところで、
最も大事なところになります。
そこが一番大事なので、ここによい字がくるかということを踏まえて、
字を選んでいるのです。
そこに、へんとつくりの字がたくさん続くと、選文失敗ということになってしまいます。
そこに、いかにいい字を持ってくるかどうかがポイントです。
では、いい字とは、どんな字でしょうか。
それは、ある程度画数があって、縦に長く伸ばせる字などです。
このようにこれらが見どころの一つですので、大きな縦の紙に3行くらい書いてある作品を見た時はまずは2行目の上から1~7字にぱっと目をやってみましょう。
2つめの見どころは、”息づかい”です。
書道は”息の芸術”です。
書いている人の心情が呼吸に伝わって、墨の潤滑、濃い薄いにつながっていきます。
全ての芸術は”間”(ま)です。
”間がいい”
”間が悪い”
そして、最悪の”間抜け”
で表現されます。
”間がいい”のが、最高芸術で、それが書き手の息づかいで決まります。
普通は作品の流れから言って、1文字目は墨がたくさんついていて、
たっぷりと豊かな線になっています。
そこからどんどん書きすすめて、墨が減ってきて、
いわゆる渇く筆と書いて“渇筆(かっぴつ)”になっていきます。
これの繰り返しで作品はできてるのです。
また、何行もある場合は、同じ線の調子が横並びにならないように、
非常に神経を使います。
墨がたっぷりついた文字同士が隣になったり、
かすれた文字が並んでしまうと、
途端に作品の魅力が薄れてしまいます。
ですので、これらが隣り同士にならないように非常に気を遣って、配慮しながら、でも、あくまで自然に墨が入って、だんだん薄くなっていくということの繰り返しが表現できるような書き方をしています。
何も全ては偶然でもたまたまでもなく、全てははじめから考えて作られていたのです。
ここには実にすごい戦略性や計画性があったのです。
これが、いかにも推し量ったなという感じになると、”あざとく”なってしまいます。
我が強い作品、
いわゆる”いやらしい作品書いたね”、となってしまいます。
なので、あくまでも自然な感じで見ていただけるような息づかいで書いてあるのが理想です。
そこにどんな戦略があっても、
見た方には自然に見えるような息づかいの中で、
速いとかゆっくりとか力強いとか、軽やかとか、
そういったドラマを感じてもらえたらいいという思いで、書かれているのです。
最後、3つめの見どころは”景色”です。
見どころ1つ目の字面、2つ目の息づかい、これらが相まっていくと、
作品が一つの景色になります。
紙というのは当然のことながら平面的なものです。
でもそんな平面な紙に、生き生きとした書がのることで、2次元から3次元になるのです。
つまり紙は平面なので2次元ですが、見た時には、文字が浮かび上がってくるような立体的な感じがするものに生まれ変わるということです。
立体的になり3次元になると、そきには奥行きが出てきます。
そうすると、そこにはまるで山とか川とか自然界の景色があるような景色になるのです。
ここで少しおさらいですが、
西洋の美と東洋の美には違いがあります。
左右対称、等間隔の西洋の美と比較して、
東洋の美は自然界の中に美しさを置いています。
自然界にはひとつとして同じものはありません。
また直線というものもありません。
かな作品と言って、百人一首をくずしたようなものを見たことがある人もいらっしゃると思います。
このようなかな作品も景色を作っています。
どんな詩が書いてあって、どんな思いで書いてあるか、
そこを鑑賞するということもありますが、
どういう景色が見えているか、ということがすごく大事なのです。
百人一首などは詩の内容も素晴らしいのでそこを鑑賞するというのもいいと思いますが、
書の作品を見た時に、私たちは何を感じるかということがとても大事なのです。
そして、その景色を作る時に、
書の作品の中でも、一つとして同じものはない中での調和を目指しています。
自然界の中には一つとして同じものがないけれど、一つの景色としてしっかり調和しています。
この自然界の調和が書においても理想なのです。
基本的に、同じ字があるものを選ばない方がいいのですが、
詩の中にたまたま同じ漢字があって、
どうしてもその詩を書くといった時、
同じ漢字を違う書き方にして調和させます。
”違えてでも調和させる”ということです。
これが一番の醍醐味です。
”書は景色”
そして、
”書は究極の壁面芸術”
なのです。
書を鑑賞するときは、いったんは極限まで離れて見てみましょう。
会場のスペースが許す限り離れて見ます。
ここで感じるもの、見える景色を自分の中に落とし込みます。
そして、作品に出会ったときに、何を思い出すでしょうか。
何か心に迫ってくるもの、思い出す景色や出来事があるのではないでしょうか。
そういった感覚を味わえるといいですね。
まず、書を景色として楽しみ、
その後に、
どんな漢字をどういう意味あいで書いているか、
どこに力が入っているかなどを見ます。
どの作品も構成はだいたい同じです。
含蓄を覚えるのはけっこう大変ですが、
とはいえ、知っていた方が楽しいとは思います。
”二度味わえる”からです。
お酒やお料理も同じです。
どの産地のもので、どんな作り手がどういう思いで作っているかわかった方が楽しかったり、味わい深かったりしますが、
兎にも角にも、まずは味わいます。
まずは、食べてみて、飲んでみて、理屈はそれからです。
書においても、こういった順番をお勧めいたします。
また、知り合いの作品だけでなくいろいろな作品を見てみるのもいいでしょう。
そして、いいものを鑑賞したあとは、一緒に見られた方と語り合うのもいいと思います。
”語り場が文化を発展させる”ように、
語り合う時間が文化を育てるからです。
今回は、書道家がどこに心を砕いているか、舞台裏のような内容をお届けいたしました。
これが全てではありませんが、一つの鑑賞の仕方としてご活用いただければ幸いです。
これまでは、書はハードルが高い、
何が書いてあるかわからないから見ない、
という方も多かったのではないかと思いますが、
今回、書も絵画のように自由に鑑賞を楽しめるということを知っていただけたのではないでしょうか。
見どころはありますが、やはり大事なのは作品を見て”どう感じるか”だと思うのです。
それでは最後に恒例の
今日の水書き書道のコーナーです。
今日の草書はこちら!
何の漢字でしょうか?
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正解はこちら!
まずは行書で
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次に楷書で
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賓
でした!
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます😊
おやすみなさい💤
今日のロアくん
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リラックスなご様子^ ^