テクノロジーでスポーツはどこまで進化するか? 見えない事が見える時代のスポーツの楽しみ方とは
「おお!そんな事まで分かってしまうの!?」
今日、はじめてロードバイクにサイコンを付けました。サイコンとはサイクルコンピュータの事。自転車に乗りながら様々なデータを見る事ができるデバイスです。
個人的には「人間の動きがここまで見える化してるのか!?」という驚きと興奮を感じ、楽しい気持ちになりました。
そこで、データの見える化がスポーツにどんなインパクトを与えるのかについて考えてみます。
何が見える化するのか?
今回購入したサイクルコンピュータ(GARMIN edge 130 plus)というデバイスでは、具体的にはケイデンス(ペダルの回転)と、速度、パワー値、距離、経過時間、心拍、最大酸素摂取量、地図情報、勾配、平均斜度、リカバリータイムなどなど、もう挙げだしたらキリがないほどのデータを見る事ができます。
大きく分けると、個人のパフォーマンスに関する詳細なデータと、自分を取り巻く環境の細かいデータ、という感じです。
それらの膨大なデータを自分が必要なデータだけを表示させる事ができる優れものです。
私はガチのアスリートではない、いわゆるにわかサイクリストなので、これらのデータを全て使い切る自信は毛頭ありませんが、その「にわかサイクリストでさえこの手のデータが入手可能な時代が来た」とも言えます。
実際、自分の運動量がデータで見える化するのはスポーツを楽しむ上でとても魅力的です。個人的にも、昨年チャレンジした大阪マラソンも腕時計に表示される到着予想時刻をかなり参考にしながらペース配分をし、目標の4時間切りを達成できました。また100km丹後ウルトラマラソンの際も、データを見ながらペース配分して完走できました。
データを活用する事で一般のにわかアスリートでも個人のパフォーマンスを上げられる。これは成長を目指す人からすれば使わない手はない面白さと言えます。
テクノロジーでスポーツは面白くなる
昨年のラグビーワールドカップは日本中が歓喜した夢の大会でした。その中で、NHKで放送された試合映像に度肝を抜かれました。
この大会で初めて本格的に実用化された自由視点によるカメラ技術です。自由な位置や角度から映像を合成し、まるでグラウンドの中にいるような体験ができます。トライを奪ったシーンをフィールド上の選手と同じ目線からの映像として見ることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=Wgu1WpCLs6k
これはCanonによるカメラ技術でスタジアム内を囲むように100台以上のカメラを設置し、それらの高解像度カメラをネットワークでつなぎ、同時に撮影します。膨大なデータ量の撮影映像から3D空間データを構築し、その中で仮想カメラを自在に動かすことができます。こうする事で、視聴者はまるでグラウンドで一緒に走るようなド迫力の映像を楽しむことができます。
これは間違いなくテクノロジーがもたらしてくれた新しいスポーツの楽しみ方と言えます。
選手とシンクロする楽しさ
もう一つ、ツール・ド・フランスの事例をご紹介します。ツール・ド・フランスは毎年7月にフランスおよび周辺国を舞台にして行われる自転車ロードレースです。
サッカーワールドカップ、オリンピックと並んで世界三大スポーツイベントの一つと言われたりします。日本ではそこまで盛り上がりませんが、世界ではこのレースの23日間に目が釘付けになります。
距離3300km以上、高低差2000m以上の超過酷なレースが世界中約190の国と地域で放送され、参加する選手の国籍の多彩さ等から見ても世界屈指のスポーツ競技大会と言えます。
このツール・ド・フランスではデジタル化も進んでいます。170名以上の自転車にセンサーをつけ、リアルタイムで情報取得とその配信を行っています。
選手の位置、速度、走行距離、坂の傾斜角、どの集団に入っているのかなど、これらをセンサーが毎秒取得します。取得されたデータは、美しいグラフィックスのビジュアルでわかりやすく加工され、ソーシャルメディアやWebサイトを通して世界に向けて配信されていきます。
面白いのは、選手の位置、登りスピードの速さ、だけでなく選手の調子や天気の様子までもリアルタイムに配信される点。選手が走っているコースと周辺地形が3次元で表現されファンは選手と共に今走っている坂の厳しさをより体感できます。これは選手とファンがシンクロするという事。これまでのテレビ放送では出来なかった、圧倒的情報量が、没入感を飛躍的に上げている好例です。
美しくビジュアル化されたデータ配信により、ファンがTwitterや各SNSでRTしたりすることで自然に拡散していき、多くの視聴者の関心も生み出します。
テクノロジーにより、これまでに見えなかったものを見せてくれて、スポーツの楽しみ方は大きく変わってきていると言えます。
まとめ
一昔前までは一部のアスリートしか手に入れられなかったツールやデータが、一般ユーザーでも広く手に入れられる時代になりました。それにより一般のスポーツ愛好者も、より深い楽しみ方が出来る様になっていると言えます。
また、スポーツをする側だけでなく、視聴する側としてもテクノロジーの進化により、その楽しみ方は飛躍的増幅しています。
今後も「ウェアラブル◯◯」といったデバイスは増え、様々なものが見えるようになります。この先5Gが当たり前になる時代では、より進化したスポーツの楽しみ方が出来る時代がやってきそうです。
皆さんなら、テクノロジーでどんな事が見える化すると嬉しいですか?
それが実現する日はそう遠くないかもしれません。スポーツがより身近に、より楽しめる未来が来ることを願っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。