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どうすれば上手く依頼できるのか?今、求められる会話スキル「アサーション」とは

「伝え方が悪かったのかな。なぜ依頼した通りにやってくれないのかな…」

こうした仕事で感じる不満や不安は誰しもあると思います。withコロナの今の環境ではテレワークを採用している方は特に、対面の会話がしにくく、お互いに意志の疎通がしにくい環境と言えます。

そんな中でも、我々は仕事を進めて行かなければなりません。「依頼」をしたり受けたりした先に、願わくば能動的な行動を期待したいものです。この「依頼」という基本のコミュニケーションを有効に行う上で、最近よく耳にする「アサーション」という概念と要点について考えてみます。

アサーションとは

人と会話する時、必要なスキルは大きく分けると「伝える力」と「聞く力」の2つです。「伝える力」ばかりにこだわれば、主張が強すぎて、聞き手に不快感を与えかねません。一方で「聞く力」ばかり意識していると受け身になってしまい本来伝えるべきことを伝えられないという問題があります。

そこで、「伝える力」「聞く力」のバランスをとりながら、相手を尊重し対等な関係を築くコミュニケーションスキルとして注目されているのが「アサーション」です。

英語の「assertion」を直訳すると「主張・断言・断定」といった押しの強いニュアンスになりますが、スキルとしてのアサーションはこの限りではありません。

自分も相手も大事にしつつ、自分の主張はしっかり行う。それでいて相手を傷つけないコミュニケーションのスキルです。withコロナ時代により求められるスキルといえます。

アサーションの魅力

アサーションは、強く主張するでもなく、かといって完全に受け身に回るわけでもないコミュニケーション。一見するとどっちつかずで、捉えにくい概念ですが、「円滑なコミュニケーション」を目的にしており、バランスを重視しています。

重要なことは相手の気持ちを考えながら、自分の気持ちや考えや信念を、その場にふさわしい伝え方で表現することです。そのためにまず前提として必要なことは「目線を合わせる」こと。上から見下ろすのでも、下から見上げるのでもなく、相手と同じ目線を持つ。ここが全てのスタートです。

主張の仕方は3パターンある

自己主張のパターンは、主に3つに分類できます。自分がやりがちなパターンを知ること、そして、自分がやっていないけど、有効なパターンがあると知ることが大切です。

1.アグレッシブ(攻撃タイプ)

思ったことをズバっと言い切るスタイル。語気を張ったりし、主張強く、自分の意志を明確に表現します。時に聞き手は悪意を感じる事がありながらも、それを厭わない姿勢。いわゆるマウンティングの傾向にあり、常に優位に立とうとします。仕事上のコミュニケーションでは特に上下の上に位置するポジションに多く、組織全体からすると少々やっかいな存在。

2.ノン・アサーティブ(非主張タイプ)

自己主張が控えめ、もしくは苦手なスタイル。物静かな性格で受け身的。断定せずに曖昧な言い方でかわす事が多い。言い訳が多い。組織の中ではアグレッシブのような面倒な存在ではないものの、やや扱いづらさもあります。

3.アサーティブ(攻撃的タイプと非主張タイプのバランス型)

自分の気持ちを率直に伝えつつ、なおかつ相手の気持ちも考えるスタイル。場の空気を重んじ、表現を選択できる。個人の存在を尊重し、メンバーの強みを組織の強みに昇華できる。アグレッシブとノン・アサーティブの中間的なバランス型コミュニケーション。

以上、3つの主張タイプがある中で、3つ目のアサーティブであることが、今の世の中により求められているコミュニケーションと言えます。これは自分だけの問題ではなく、一緒に働く同僚に対しても、要求していく必要があります。組織としてアサーティブなコミュニケ―ションが増えることで、伝え手、受け手ともにストレスを軽減でき、内発的なモチベーションをベースに会話ができる組織に近づくことができます。

アサーティブコミュニケーションのポイント

1.主語は「You」ではなく「I」で
「あなた」を主語にすると相手を追い詰めたり、責める口調になりがちです。主語を「私」に変えると、自分の主張として伝えられます。直接的ではなく、どう受け止めるかは相手に委ねる余地を残します。そうすることでアグレッシブさは軽減され、建設的な会話に持って行きやすくなります。「あなたはなぜ◯◯しないのか?」という論調ではなく、「私は◯◯を目指したい。だから協力してほしい」という流れで話すことで協力を引き出しやすくなります。

2.気持ちを乗せる
自分の感情や気持ちを加えることで、率直に意志を伝えやすくなります。「~していただけると嬉しい」や「正直なところ~に困っています」「ぶっちゃけて言うと〜で悩んでます」など。困っている人を見ると手を差し伸べたくなるのが人間です。非主張タイプの方には特に有効です。

3.指示ではなく「お願い」をする
依頼は「~するように」といった指示、断定、命令的な表現は相手に威圧感を与え、その後に自発的な行動を引き出しにくいです。そうではなく、「~して欲しい」というお願い表現を使うことで、相手に可否の判断余地をつくることが大切です。「わかりました」という相手の承諾を引き出せれば、依頼は完了です。相手も自分で意思決定したため、引き受けた以上能動的な行動を期待できます。

4.肯定的な言葉を使う
「~できないですか?」という否定的な言葉は相手からすると受け入れるのに抵抗を生みやすい表現です。「私は~が良いと考えますがいかがですかね?」と否定的表現で終わらず、前向きな投げかけ表現をすることで、能動的な行動を引き出しやすくなります。

まとめ

withコロナの世界は、リアルの対面コミュニケーションがしにくく、意思疎通に工夫がいる世界とも言えます。その上で、攻撃型な主張、非主張型の主張ではミスコミュニケーションを生みがちです。求められているのはその中間にあるバランスのとれた会話スキル。それがアサーションです。

アサーションのポイントは「自分を主語」にしながら、「感情」を乗せて、「肯定的な表現」でしっかりと「お願い」をするということ。これは言い換えれば「包み隠さず率直に自分を出す」ということだと思います。テレワーク化で、オンラインコミュニケーションが増えた今、改めて「人間味あふれる会話」が求められているのではないかと思います。

「伝え方が9割」という本もあるように、表現の工夫次第で、自分の周りの仕事はより円滑に回るように思います。

相手と目線を合わせ、相手の立場を尊重しながら、自分の伝えたいことは感情を乗せてしっかりと伝える。そうすることで、自分も相手にとってもクリアなコミュニケーションができるのではないでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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やわらかメガネりょう
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