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「論語と算盤」とSDGs【渋沢栄一が描いた世界】

【今日のまとめ】
明治時代には既に、世界に何が重要なのか知っていたのかもしれません。

皆さん、渋沢栄一ってご存知でしょうか?

渋沢栄一といえば、2024年から新1万円冊に肖像が使用され、来年のNHK大河ドラマ「青天を衝け(せいてんをつけ)」で主人公として描かれることが決まっているなど、現在時の人となっております。

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渋沢栄一の著書『論語と算盤』は、渋沢の生き方・考え方を中心に、渋沢が生きた明治時代の人々に向けて、生き方を説いた著作です。

明治時代の著作ですが、現代を実際に見て書いたのではないかと思うほど、我々が生きる現代への示唆を含んでおります。

僕が読んだ本の中で、トップクラスでお気に入りの本『論語と算盤

今日はこの本をテーマに、渋沢の考え方現代にも共通する考え方について書いていきたいと思います。

1 渋沢栄一について

渋沢栄一 1840年3月16日生
幕末の時代に生まれ農民から武士へ転身、明治政府では官僚として大蔵省(現財務省)で働く。
その後、実業家となり、第一国立銀行(現みずほ銀行)の頭取を務め、また、現在の一橋大学の設立にも尽力した人物。
約500もの企業を育て、同時に約600の社会公共事業にも関わったなどの功績から「日本資本主義の父」と称される。

ざっと渋沢の一生についてまとめてみましたが、すごい人ですね。
実業家として貢献したものは、今の私たちの生活に馴染み深い「みずほ銀行」や「一橋大学」ですし、農民、武士、官僚、実業家とあらゆる立場を経験していることにも驚きです。

2021年NHK大河ドラマ「青天を衝け(せいてんをつけ)」では、吉沢亮さんが渋沢を演じるそうなので、どんなドラマになるのか今から楽しみです。

2 『論語と算盤』はどんな本なのか

さて、簡単に渋沢について皆さんに知っていただいたところで、
今日の本題、渋沢の著作『論語と算盤』について書いていきます。

冒頭でも述べたとおり、『論語と算盤』は、渋沢の生き方・考え方を中心に、渋沢が生きた明治時代の人々に向けて、生き方を説いた著作です。

渋沢の生き方・考え方の根底にあるのは、本の表題にもなっている『論語』です。

『論語』と言えば、高校や中学の漢文や歴史でも登場する、弟子たちが孔子の教えをまとめた著作で、
子曰く(し、いわく)』で始まるのが特徴的です。

孔子

『論語』の内容は現代まで残っているものも多く
孔子の道徳観である「」「」「」「」や
年齢を表す「志学(15)」「而立(30)」「不惑(40)」「知命(50)
などは聞いたことがあるのではないでしょうか。

そんな512もの短文からなる『論語』を生き方の基本としたのが
この渋沢栄一なのです。

論語の影響を受けた渋沢の生き方で私が特に印象に残ったことは
官僚として働いていた渋沢が実業界への転身を決めた理由です。

渋沢が生きた明治時代は、実業界(商業)には道理が欠けていたそうです。

「道徳のない商業」「拝金主義」「稼げればどんな方法でもいい」
このような考え方でした。

そんな実業界には未来がないと感じた渋沢は、実業界に『論語』の思想を持ち込みました。

「論語」をもとに、仁義と利殖のバランスを取る重要性を実業界に広め、日本の実業界の基礎を築いたのです。

僕は、この生き方を知った時、鳥肌がたったことを覚えています

日本を発展させる為の問題点を的確に指摘し、自ら理念を持って全く違う世界に飛び込んだ

そして「日本資本主義の父」と呼ばれるほど日本の実業界を発展させ、今の日本の基礎を築いた。

その心意気は、為せることの大きさは違うとしても、生き方の模範にしたいと僕は思います。

3 『論語と算盤』とSDGs

渋沢が考える実業のあり方として、本の中にこのような一文があります。

真正の利殖は仁義道徳に基づかなければ、決して永続するものでないと私は考える。

また一方、これは中国の宗の時代を述べたものですが、このような一文もあります。

仁義道徳ということを唱えるにつきては、かかる順序から、核進歩するものであるという考えを打ち捨てて、全て空理空論に走るから、理欲を去ったら宜しいが、その極その人も衰え、したがって国家も衰弱に陥った。

つまり、実業というものは、仁義道徳と、利益を得ることバランスよく図られることにより、大きな成功を収めるものである。

これが渋沢の考え方なのですが、現代のあれに似てませんか

そう、現代のテーマ「SDGs」です。

SDGsは、持続可能な社会の為に定められた17の目標で、
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊さを守ろう
15.陸の豊さも守ろう
など、環境に対する責任を求める一方

8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤を作ろう
など、経済を発展させることも同様に目標としています。

これはまさに、渋沢がいうところの、仁義道徳と利益を得ることをバランスよく図ることではないでしょうか。

渋沢は、この思想のもと、実業界に乗り込み日本実業界を発展させました

我々も渋沢を参考に、SDGsが中々根付かない日本社会を、SDGsの思考のもとに進めることで、より良い社会を築く可能性を秘めているのではないでしょうか。

約150年前を生きた渋沢の生き方が、現代を生きる私たちのヒントとなる

気になる方は是非実際に手にとって読んでみてください。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

SDGsについては、こちらのnoteで僕なりの考えをまとめているので読んでいただけると大変嬉しいです。

他のnoteでまた皆様とお会いできることを楽しみにしております。

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