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ミュージアムへのいざない。アートだけではない楽しみがある

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入り口までの期待感や周りの風景を取り込んでいること、アートの展示だけでないミュージアムの魅力。アートとよい関係をもつミュージアムに物語を感じる。素敵なミュージアムを求め旅に出よう。
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2022年8月の記事一覧

再び大阪中之島美術館へ

今年3月末の小雨の中、大阪中之島美術館を訪れた。 その時は展覧会は開催されておらず、ひっそりとした 雰囲気を楽しむことができた。今日は、うってかわって 気持ちのよい青空。緑は青々とし、美術館の建物の表情 も明るい。シップス・キャットの赤い体も輝いている。

建物にある多角形を楽しもう

JR羽犬塚駅から自転車を漕ぎ、星野村へやってきた。 最初に訪れたのは古陶星野焼展示館。道路から少し 入った所の建物には、陶窯の煙突のような形があり、 すぐにそれとわかる。頂部は自然を取り込む開口部 となっていて、そこから光や雨が中庭に落ちる。外に 対して閉じた建物は、中庭を通して自然とつながる。 柔らかな光が落ち、しんとした空気の中庭がよい感じ。 建物の形状は八角形をしていて、星をイメージされた とのこと。星と煙突がモチーフの自由な造形が面白い。 四角形にはない、ゆるやかな

久留米市美術館の美しい風景

寄り道しつつも、ようやく久留米市美術館に到着した。 日が傾き始めてきたので早速まわる。入り口すぐには、 清水多嘉示氏の彫刻がある。このみどりのリズムは、 各地にも設置され、大阪市の御堂筋にもあるという。

奴国の丘で古代人に思いを馳せる

大陸文化の玄関口となった九州には、数多くの遺跡が 残されている。その日は、太宰府へのサイクリングの 途中に奴国の丘に立ち寄った。奴国の丘歴史資料館は、 奴国の中心であったとされる、福岡県春日市にある。 魏志倭人伝に記述された奴国。市内の各所に点在する 遺跡からも弥生時代の土器類が多く発見されている。 奴国の丘歴史公園では、2000年前の遠い古代の情景に 今も触れることができる。ふと訪れた公園で日常から 非日常へと誘われる。歴史の資料は、かつてあった風景 を見せてくれる。古代

森の中の巨大な国立博物館

昨年4月に福岡に赴任し、九州の魅力を楽しんでいる。 昨年のあじさいの季節に、太宰府へのサイクリング。 太宰府天満宮のお参り共に九州国立博物館を訪れた。 2005年に開館した九州国立博物館は、日本で4番目の 国立博物館。東京、京都、奈良の国立博物館が美術系で あるのに対し、九州国立博物館は歴史系博物館として 設立された。九州が日本のアジア文化との交流の重要 な窓口であったことから「日本文化の形成をアジア史 的観点から捉える博物館」を基本理念とされている。 設計者は菊竹清訓氏