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勉強のための勉強2〜行動の本質〜

昨日、「勉強のための勉強」をしていないか、「練習のための練習」をしていないかについて書かせてもらった。

勉強したフリが上手くなった小学校時代。
練習してもしてもうまくならない高校時代の部活。

詳しくは、先にこちらを読んでもらえると嬉しい。


大学


大学に入って、高校と同じく弓道部に入った。
その中で驚くべき先輩に出会う。
大学から弓道を始めた先輩だ。

その先輩はなんと自己流で引いていたのだ。
自己流といっても弓道にはフォームがあるのでそれはだいたいは守っている。
でも、ほんと形だけという感じで高校3年間やっていた自分からは考えられないフォームで弓を引いていた。
それぐらいフォームがぐちゃぐちゃだった。

そして、さらに驚くべきことはそれでバンバン的に当てていくのである。
詳細までは忘れてしまったが、練習だと100本中80本ぐらい当たっていた気がした。
聞くと、全部員の中でもトップクラスに当たるらしい。
意味が分からない。

余談だが、弓道は的から28メートルの距離があり遠く、当てるのが見ているよりも本当に難しい。
だから、弓道のルールのほとんどは的に当たればOKという判定でどれだけの本数でどれだけ的に当たったかを競う。

「○○さん、なんであんなに当たるんですか?」

思わず練習中に聞いてしまう。
今考えるとめちゃくちゃ失礼な物言いだ。
でもそれぐらい不思議だった。

その先輩は

「ははっ笑 すごいやろ?笑」

と笑って練習を続けた。

結果を出す人の思考

別の日、その先輩に私は別の質問をぶつけてみた。
この質問の答えが今でも自分の人生の教訓になっている。


「練習している時にいつも何を考えているんですか?」

先輩
「どうしたら真っ直ぐ飛ぶかかなあ。弓道って、結局大事なことは2つだけやと思うねん。1つ目は的を狙うこと。2つ目は、真っ直ぐ飛ばし続けること。逆をいうとそれ以外はどうでもいい。1つ目はまあできるとして、練習で専念しないといけないのはどうすれば真っ直ぐ飛ばすか。そのための練習。だから型とか大切やと思うけど、それよりも大切なのは自分の体をどうやって使えば真っ直ぐ飛ばし続けられるかを考えることやと思うねん。もちろん、これは進められることじゃないし反対する人も多いかもしれんけどな。」

石で頭を殴られたぐらいの衝撃だった。

「真っ直ぐ飛ばす」

今までだってもちろん考えていなかったわけじゃない。
でも、どこかで置き去りにしていた。
フォームいわゆる型を綺麗に引くことが基本だ。
だから、いかに綺麗に引くかを意識にしながら練習し、修正し続ける。
自分もそうだった。

しかし、当たり前だが綺麗に引く目的は矢を真っ直ぐに飛ばすことだ。
つまり、「綺麗に引くこと」ではなくて、「矢を真っ直ぐに飛ばすこと」が本来の目的なのだ。
今考えると馬鹿馬鹿しいがそれでも当時の自分には衝撃だった。

その先輩は、どうやったらより他の人よりも的に当たるか、経験者もいる中で考え続けたのだろう。
いかに矢を真っ直ぐに飛ばし続けるかだけを考え続けたのだろう。
フォームは少し違っても。
その後、矢を真っ直ぐに飛ばし続けるためのいろんなこだわりを教えてくれた。
全て理にかなっていた。
結果を出す人の思考に触れた瞬間だった。
本質を掴むすごい人だと思った。

1/6の量で倍の成果

結局弓道部は途中で辞めてしまった。
その代わり弓道は続けた。
週1回、2.3時間の練習。
高校の時の練習の1/6以下だ。

「高校の時、少し練習しなかっただけで全く当たらなくなってしまうのに週1回の練習で上手くなれるだろうか?」

そんなことを辞めた当時は思っていた。

しかし、結果からいうと高校の時よりも当たるようになった。
高校時代、100本引いて30本ぐらいだったのが、週1回の練習にした時50〜60本にまで伸びた。
倍の成果だ。

何が変わったか。
意識だ。目的だ。

「どうすれば真っ直ぐ飛ぶか」
「どうすれば真っ直ぐ飛ばし続けられるか」

それに対する徹底的な分析と改良をするようになった。

「勉強のための勉強」
「練習のための練習」

から

「結果を出すための勉強」
「結果を出すための練習」

に変わったのだ。

勉強していても成績が上がらない子

この経験では今の塾の指導や親との面談でも活かされている。

生徒
「勉強しても成績上がらなくて・・・」


「そうなんだ。例えばどんな勉強をしているの?」

生徒
「○○の問題集を解いていて・・・」


「それは何のために?」

生徒
「えっ?」

私は指導の中で必ず目的とゴールを聞くようにしている。
これを聞かないと、本来の目的からそれた行動をしてしまうからだ。

ワークの答えを覚える。
テスト前に部屋を片付ける。
ノートをうつしてそのまま振り返らない。

これら全部そうだ。本来の目的じゃない。
自分みたいに「勉強のための勉強」「練習のための練習」になっている。

でも、なかなか自分ではなかなか気づけない。
だから問いかける。
目的が変わればそれだけで本当に成果が変わることがある。
だから今日の授業も聞く。

「何のためにやるのか?」



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