都合のよいSDGs【八百屋から見た“食”no.4】
こんにちは。
タイトルがまたアレですが、SDGsでもスローフードでもフードロスでもなんでもいいです。
あくまで個人の見解ですが、数年に1度新たなワードが出て、賑やかで盛り上がっていて、さぞ世の全員が知っている…ように見えるだけです。
商業上(商売上)都合よく使われて、消費の一部になり、消耗して、また新たなワードが出て。
都内の八百屋の店頭で、ずっとそんな状況を見聞きしてきました。
今話題のSDGsを食材購入場面に置き換えると、
自分が好きな、いいと思える店/売場/農家で“買い続ける”ことにつきます。
もう少し踏み込んでいえば
【正品を定価で買い続ける】
【使い切る量を買って食べきる】この2点を心がけるだけで充分です。
あえて『正品』と書いたのは、『不揃い品』購入に対するアンチテーゼ。
不揃い品を買っても、農家の収入安定にはつながりません。農家は、正品を出荷できるよう、一定量の不揃い/生育不良(歩留まり)をふまえた上で作付けします。もちろん、なるべく歩留まりが良いように(出荷できる≒正品率が高くなるよう)育てます。全国多種多様な考えを持つ農家さんと付き合いありますが、不揃い品を作りたくて栽培している農家さんはまずいないでしょう。私(の知っている範囲で)は見たことがありません。
転じて“畑で捨てられてモッタイナイ”は、ほぼ農家発信ではありません。はっきり言います。モッタイナイを商売にしたいだけです。商売ワードと切り捨ててください。
フードロス・規格外をモッタイナイと安く大量に買っても、結局家で余らせて捨てていませんか?
正品を定価で買い支えてこそ、農家の収入/経営安定のキッカケや好循環となります。
他方、暴風/台風/洪水や雹に代表される異常気象や、鹿や猪といった獣害の“救済企画”はなるべく協力していますし、単発でなく極力継続して販売します。作る農家と直接やりとりするからこそ、できることもあります。
農法も関係ありません。いわゆる有機農業/自然栽培(なにをもって自然というかわかりませんが)だけがサスティナブルでもありません。大所高所にならず、買う側の私たちは、身の回りの知っている生産者の(もしくは気に入っている)食材を買い、美味しく食べきることだけ考えましょう。