カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞の万引き家族が突きつけてくる家族の意味と絆について。
先頃開催された第75回カンヌ国際映画祭で、最優秀男優賞とエキュ二メカル審査員賞の2冠を達成した、是枝裕和監督の「ベイビー・ブローカー」を売り出すために、昨夜「万引き家族」が再放送されたんですよね。(^_^)b
たぶんというか絶対なんだけど、ベイビー・ブローカーの宣伝活動の一環として、第71回カンヌ国際映画祭でパルム・ドール受賞を果たした同じ監督の「万引き家族」の再放送だったわけですが、まんまと観てしまいました。😅
私はこの「万引き家族」というタイトルを、なぜだか「泥棒家族」と勘違いして覚えていたんですが、この「万引き家族」を観てあらためて考えさせられたのが、家族の意味と血のつながりと絆という結びつきについてでした。
前回観ていたので観ずにスルーしようかとも考えたんですが、細かいところまで覚えていなかったので、夜遅くになってから2度目の視聴をしてみたのです。
今回の2度目では、役者さんたちの演技力や表情、台詞の自然さなどに焦点を当てて観ていたんですが、やはりこういう映画は間にCMが入り流れを中断させられてしまうTV放映ではなく、ブルーレイやDVDでじっくり観るべきですよね。😅
まぁ、それは置いておくとして、今回もCMを飛ばしながらなるだけ連続した流れで観られるようにしながら最後まで観たわけですが、後半の警察に捕まってしまうあたりからが、一度見ているはずなのに初見の印象。
そうか、こういう表情をしている訳は、こんな感情を押し殺していたからなのかとか、こういうことを表現していたのかなどの、前回も思ったであろうことが新鮮な感じで胸に迫ってきたのですね。(^_^)b
映画を観て感じることは人それぞれであるし、感想にこれが正解だなどというものは無いと思うので、私が感じた感想を少しだけ書いてみます。
今回の万引き家族では、それぞれが軽犯罪法に触れる行いや社会通念上の倫理観では首を傾げるような行いをしているわけですが、どこか憎めないというか同情の余地のあることも少し含まれています。😓
今回の視聴では観察するような目で観ていたこともあって、血縁関係に無い疑似家族であるはずの万引き家族の夫婦が、実の家族よりも濃い家族の絆を求めていたような感じを受けましたね。
虐待されていた幼い女の子を見かねて、誘拐もどきで保護してしまい家族の一員として受け入れるところや、罪を一人で背負って刑務所にいる母親代わりだった女性が、一緒に家族として暮らした時間の幸せに比べれば懲役なんて屁でもないと、幸せそうな顔をして面会にきた夫に言い切るところ。
そして、拾ってきたという息子に、拾った場所が松戸市のパチンコ屋で赤い車の習志野ナンバーのヴィッツが、本当の親の手がかりであることを教えて探す気になれば探せるからと、面会の終わりに息子に慈愛の眼差しで微笑むところとか。
施設に引き取られて学校の成績も優秀になった息子が、母親との面会のために父親と行動を共にして母親に会い、一晩を狭い父親のアパートで過ごしてからバスで施設に帰るときの、父親とのやり取りも切なかったです。😢
怪我をして病院に担ぎ込まれて、万引き家族が散り散りに引き裂かれる元を作ったと反省する息子に対して、息子を置き去りにして逃げようとしたことを正直に告白し、その息子もまた、バスに乗る前にワザと捕まったんだと父親に話し、父親の後ろめたさを拭い去ろうとする思いとか。
バスに乗り込んだあとは窓際の座席に座り、別れを惜しむ父親がバスを追いかけて、息子の名前を大声で叫びながら追いすがる姿。😭
その父親を見向きもせずにいた息子が、しばらく経ってから振り返り、声にならないような小さな口元で「父さん」とつぶやき別れを告げるところ。
この映画では、疑似とはいえ本当の家族のぬくもりや絆を求めて暮らしていたということが、最後になって一気に伝わってくる気がしました。😭
観終えたあとで、静かな余韻がひたひたと湧き上がる2度目の視聴でした。
やっぱり、パルム・ドール受賞だけのことはある映画だったな、そう思いながら寝に着いた土曜の夜の話でした。(^_^)b
ってことで、今回は
「カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞の万引き家族が突きつけてくる家族の意味と絆について。」という映画鑑賞の感想文でした。(^_^)b
※見出し画像のイラストは、メイプル楓さんからお借りしました。
では!
罰よりも 罪滅ぼしで のほほんと
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