夏の疲れを音楽でほぐしましょう~J.S.バッハ「ゴルトベルク変奏曲」
こんにちは。音楽と美味しいものが大好き、やんそんさんです。
暑い毎日が続いております。調子はいかがですか?
夏の暑さで、身体だけでなく、脳や心もお疲れ気味では?
夏の暑さとストレスで、疲れて硬くなった脳と心を、
バッハの音楽でほぐしましょう。
今回のおすすめアルバムは、J.S.バッハ「ゴルトベルク変奏曲」。
演奏は、名実ともに現代を代表するピアニスト、
ラン・ラン(Lang Lang 中国名:郎 朗)。
コンサートチケットが世界中でSOLD OUTする、クラシック界の大スター。
アルバムに収録されているのは、
ベルリン、イエス・キリスト教会でのスタジオ録音と、
バッハのお墓がある、ライプツィヒ、聖トーマス教会での公演ライヴ録音。
教会の神聖な空気と、バッハへの畏敬の念が伝わる、素晴らしい演奏です。
それでは、さっそく、冒頭の「アリア」を聴いてみましょう。
静かに音楽は始まり、ゆっくりとやさしく流れていきます。
曲が進むほど、心が静かに、穏やかになっていきます・・・。
🧘 🧘♂️ 🧘♀️
「ゴルトベルク変奏曲」は、この「アリア」で始まり、
30の変奏曲が次々と流れ、最初と同じ「アリア」で終わります。
演奏時間は、1時間超。
長い・・・途中で飽きてしまいそう。私も最初はそう思いました。
意外にも、とても聴きやすく、
聴くほどに、バッハの音楽の世界に魅了されます。
「ゴルトベルク変奏曲」は、
30の変奏曲が次々と奏でられる、めくるめく音の世界。
ひとつひとつの音が星のように煌めき、無限に拡がる音楽の宇宙のよう。
バッハの世界に浸っていると、あっという間に時間が過ぎ、
気がつくと、最後のアリアです・・・途中で寝ているときもありますが。
多分に、リラックスしている証拠です。
🧘 🧘♂️ 🧘♀️
それでは「ゴルトベルク変奏曲」を聴きながら、
脳と心をリラックス&ストレッチ&クールダウンいたしましょう。
あなたは次々と流れてくる音楽を、ただ聴くだけでいいのです。
🧘 🧘♂️ 🧘♀️
悠長に音楽を聴いている時間なんてない・・・忙しいあなた。
スキマ時間に「アリア」だけでも聴いて、心をリラックスさせましょう。
家事をしながら、読書をしながら、コーヒーブレイクのお供に・・・。
「ゴルトベルク変奏曲」の清々しさは、
夏の暑さを忘れさせるヒーリングBGMとしても最適です。
あなたの好きな聴き方で、
脳と心をリラックス&ストレッチ&クールダウンしてください。
🧘 🧘♂️ 🧘♀️
ヨガインストラクターの気分で
「聴くだけで脳と心の疲れがとれますよ~」(※個人的な感想です)と、
「ゴルトベルク変奏曲」を紹介しました。
ここまで、お付き合いありがとうございました。
「ゴルトベルク変奏曲」に興味を持ったあなたへ。
ひき続き、どうぞお読みくださいませ。
「ゴルトベルク変奏曲」の名前の由来
「ゴルトベルク変奏曲」は俗称で、バッハ自身がつけたタイトルは、
「2段鍵盤付きチェンバロのためのアリアと種々の変奏からなるクラーヴィア練習曲」です。(クラーヴィアとは鍵盤楽器のことです)
なぜ「ゴルトベルク変奏曲」と呼ばれているか・・・。
それにはこんな逸話があるからなのです。
こんな逸話があるほど、この曲には人々を元気づける魅力があるのです。
21世紀の私たちも、カイザーリンク伯爵と同じように、
バッハの音楽で、元気になりましょう!
名盤がたくさん、聴き比べも楽しい
正式なタイトルにあるように「ゴルトベルク変奏曲」は、
「2段鍵盤付きチェンバロ」のために作られた曲です。
この曲がピアノのレパートリーとして有名になったのは、
20世紀を代表するピアニスト、グレン・グールドの
1956年のデビューアルバム「ゴルトベルク変奏曲」が
アメリカの音楽チャートで1位になってから。
「2段鍵盤付きチェンバロ」の演奏のために作られたこの曲を
鍵盤が1段しかないピアノで演奏するのは至難の技。
天才的な超絶技巧のテクニック、リズム感のあふれる演奏、独自の解釈で、
多くの人々を驚かせ、デビューアルバムは世界的な大ヒットとなります。
「ゴルトベルク変奏曲」=グレン・グールドと言われるほど、
21世紀の今も人々に愛される、名盤中の名盤となりました。
その後、有名ピアニストたちが録音、名盤もたくさんも生まれました。
どのピアニストの演奏も素晴らしく、魅力的です。
聴き比べて、個性や解釈の違いを味わうのも楽しいものです。
グレン・グールド以外で、私がリピートして聴いているのは下の4つ。
SpotifyやAmazon Music で楽しんでいます。
聴きやすさの秘密①様々なスタイル
「ゴルトベルク変奏曲」は元々は練習曲集。
演奏者が様々なスタイルを練習できるよう、
サラバンド、ジーグ、メヌエット等の舞曲や
序曲やカノン、フーガと、様々なスタイルの曲が次々と現れていきます。
そのおかげで聴く側も飽きることなく、様々な音楽スタイルを楽しめます。
☝7番変奏曲と同じジーグのスタイルで作られた音楽で踊っています。
優雅な動きで、くるくる、ぴょんぴょん、バレエのよう。
バロック時代の貴族たちが踊っている姿を想像しながら聴いてみると、
タイムスリップしたような気分に。
聴きやすさの秘密②かくされた主題~低音部
変奏曲といえば、モーツァルトの「きらきら星変奏曲」が有名。
おなじみの「きらきらひかる~」のメロディが主題となり、
その主題を様々なカタチに変化させます。
☟モーツァルト/きらきら星変奏曲/演奏:泉 ゆりの
「ゴルトベルク変奏曲」の主題はメロディではなく、低音部。
アリアの冒頭の4小節の低音部、1小節ごとに長く伸ばしている音、
♪ソ~ │ファ~ │ミー~ │レ~ ♪
この4つの音が、アリアと30の曲の低音部にかくされています。
☝ 左手で弾く下の段(ヘ音記号の低音部)に注目。
最初の4小節の長い音 ♪ソ~ │ファ~ │ミー~ │レ~ ♪
(3小節目までは付点二分音符、4小節目は二分音符)が、
30の変奏曲の共通する土台となっています。
曲の速さや拍子(3拍子や4拍子等々)が変わっても、
共通した低音部によって、違和感なく、次々と聴くことができます。
胸に迫るクライマックス
クライマックスの30番変奏は、
クオドリベット(「好きなように」を意味する)形式です。
元々、クオドリベットとは、
何人かの人々で、それぞれが違う歌を同時に歌う「歌遊び」のこと。
バッハ一族も家族が集まると、クオドリベットを楽しんでいたようです。
バッハは、当時の流行歌を2つ組み合わせ、30の変奏の終曲としました。
使われた流行歌は「キャベツとかぶが僕を追い出した」と
「長いこと御無沙汰だ、さあおいで、おいで」の2曲。
バッハは「家族思い」の人物として知られています。
家族みんなで、クオドリベットを楽しむひと時は、
とても、幸せな時間だったことでしょう。
そのことを思い出しながら、この曲を作ったのかもしれません。
懐かしいような、心が温かくなるような、
胸に迫るものがある、クライマックスです。
そして最後は・・・
そして最後は、最初と同じ「アリア」に戻ります。
曲の全てを聴き終えたとき、その時々で違った感情が湧いてきます。
ある時は、旅に出かけ、様々なものを見て、体験して、
旅を終えたような気分になります。
また、ある時は、生まれてから死ぬまでの、
人生のように感じることもあります。
また、ある時は、輪廻転生やメビウスの輪のような、
終わりのない「無限」を感じたり・・・。
「ゴルトベルク変奏曲」を聴くことで、
バッハの音楽の尊さと深さ、そして人々に愛される理由が、
少しですが、理解できたような気がします。
「ゴルトベルク変奏曲」を聴いて、よい夏をお過ごしください。
また、お会いしましょう。やんそんさんでした。
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