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八咫鏡鋳造「鏡作神社(鏡作坐天照御魂神社)/鏡作麻気神社」【田原本町シリーズ】【鏡作シリーズ】

「鏡作坐天照御魂神社(かがみつくりにいますあまてるみたまじんじゃ)」は物部と出雲が同居し、神仏習合の場所でもあった。金属加工業界が多い大阪府東大阪市の小坂・今里・八尾が近くにあり、この金属加工の人々の祖先は、この神社付近だと伝えられている。田原本町に小坂・今里・八尾の地名があることからも確定か?

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2024/02/17 初版


▼HP▼アクセス▼祭神・本尊と脇時

※後述「▼見どころ」参照

▼見どころ

▽鏡作坐天照御魂神社(鏡作神社):奈良県磯城郡田原本町八尾816

 正式には「鏡作坐天照御魂神社(かがみつくりにいますあまてらすみたま)」で通称名は「鏡作神社」。鏡を御神体として祀られた古社。
 伝承は次の通り。崇神天皇の時代に天照大御神から賜った八咫鏡を宮中にお祀りするのは畏れ多いとして、まずは笠縫邑(桧原神社(私のNOTE))に祀り、最終的に伊勢神宮(私のNOTE)に遷された。この八咫鏡を都・奈良から伊勢に遷す時に、崇神天皇は、この辺りにいた鏡職人(鏡作部)に、その神鏡に代わる新しい鏡を宮中に祀るために作るように命じた。いきなり本番を作らずに試作の鏡が鋳造された。その時に試作された鏡を御神体として、「天照国照日子火明命」を祀ったという伝承である。これは平安時代の『和名抄』にも記載されているようだ。

 この地域には「鏡作神社」が他にもあるが、御神体の鏡は「石見鏡作神社」で造られたのかも?と思ってしまう。

  また、この地域は古事記を編纂した太安万侶の誕生地で、古事記の神々を祀っている。製造技術のルーツとなる場所が複数あり、「職人の聖地」あるいは「技術者のパワースポット」として注目されているそうな。
 祭神は「石凝姥命」で、鏡製造技術の発祥の地となり、鏡・ガラスを製造する有名企業が技術向上の祈願に訪れているようで、各企業の玉垣が奉納されている。また、鏡を使用する美容業界、化粧品業界の守り神とも。

→参道

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「倭名抄」鏡作郷の地に鎮座する式内の古社である。 第十代崇神天皇のころ、三種の神器の一なる八咫鏡を皇居内にお祀りすることは畏れ多いとして、まず倭の笠縫邑にお祀りし(伊勢神宮の起源)、更に別の鏡をおつくりになった。社伝によると、「崇神天皇六年九月三日、この地において日御像の鏡を鋳造し、天照大神の御魂となす。今の内侍所の神鏡是なり。本社は其の(試鋳せられた)像鏡を天照国照彦火明命として祀れるもので、この地を号して鏡作と言ふ。」とあり、ご祭神は鏡作三所大明神として称えられていた。 古代から江戸時代にかけて、鏡池で、身をきよめ鏡作りに励んだといい、鏡の神様としては全国で最も由緒の深い神社である。
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→鏡池と鏡石

 崇神天皇から「鏡作部」とされ、鏡作部はこの池の水を使って鏡を作っていたのではないかと考えられている。あるいはこの池で祓い清めていたという説も。

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此の鏡石は江戸時代に、前の鏡池より出土したもので、古代の「鏡」製作時、近辺の鏡作郷よりの粗鏡の仕上げ、即ち鏡面の研磨工程時使用された用具かと推察される。 鋳造面を「鏡面」への研磨時、この鏡石の凹面に粗鏡を固定し、上方から水を流しながら、二上山の麓より採取した金剛砂等で「平面加工」や「鏡面加工」を施した時の用具かと推察される。
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→参道から拝殿までの摂社/末社「鍵取神社/笛吹神社/狭依姫神社」

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 参道左に目をやると「鍵取神社」と「笛吹神社」が並んでいた。

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 全国各地の神々が、10月に出雲へ出張するときに、鍵を預かり留守番を担っているのが鍵取大明神であるそうな。御上神社(私のNOTE)にもありますね。御上神社の「鍵取神社」の祭神は天津彦根神・猿田彦神です。

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 葛城の笛吹神社から勧請だろうか。祭神は火の神「火雷大神(ホノイカヅチノオオカミ)」と音楽の神「天香山命(アメノカグヤマノミコト)」とする古社です。

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 歩いてきた参道を振り返る。鎮守の森(杜)ですね。

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 参道右側にも摂社・末社があった。

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 古代祭祀場?と思わせる雰囲気(下の写真)。

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 「狭依姫神社」とあるが聞いたことがない・・。調べてみた・・。
 アッ・・「生身天満宮(私のNOTE)」で出会っている・・。先にお伝えすると「市杵島姫命(イチキシマヒメ)」の別名のようです。「サヨリヒメ」と読むようです

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厳島神社は、ご祭神は女神、狭依姫命です。市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)とも称され、厳島神社も古くは市杵島姫神社とも称します。もともと生身天満宮鎮座地の地主神、土地の守り神として祭祀されていました。

生身天満宮公式HP
https://www.ikimi.jp/keidai/itsukushima.html

私のNOTEは次の通り。

サヨリビメという名前の「サ」は「稲霊」を表しています。「早乙女」「早苗」の「サ」と同じです。サヨリビメという名前は、「稲霊が宿る姫」という意味で、農業の女神です。

https://nihonsinwa.com/page/2023.html

  ふと思ったのだが、イチキシマって、アマテラスとスサノオの誓約で誕生した女神で、ニギハヤヒの妻でもあるし、ニギハヤヒの妻の時は「サヨリヒメ」とかないかな。

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→拝殿・本殿

祭神は次の通りです。

  • 石凝姥命(イシコリドメノミコト)

  • 天照国照日子火明命(アマテルクニテルヒコホアカリノミコト)
    ホアカリですね。ニギハヤヒと同一とも。

  • 天糠戸命(アメノヌカドノミコト)

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 中座が「天照国照日子火明命(アマテルクニテルヒコホアカリノミコト)」で、太陽を神格化した神様。饒速日(ニギハヤヒ)と同一神と考えられ、天孫降臨したニニギの兄説など、要素が多い神様。
 写真手前の左座(向かって右)に「天糠土命(アメノヌカドノミコト)」で、鏡を鋳造するときに糠の神となるかと。石凝姥命(イシコリドメノミコトノ)の親であり、鏡作部の遠祖だそう。
 写真奥の右座(向かって左)に「石凝姥命(イシコリドメノミコト)」で、古事記によると、八咫鏡を鋳造した女神として登場することから、鋳物の神・金属加工の神として祀られている。ニニギの天孫降臨でもお供したようだ。

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 本殿正面には行けないようにしていました・・残念。。

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→本殿右摂社・末社「鏡作坐若宮神社」

 若宮=主祭神の御子ですね。八尾の氏神様と補足があります。

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 蟇股の下に白蛇の姿がと二羽の鳥が描かれ、両脇には象の木鼻が施されている。蛇・・・大神神社関係か・・・??意味深だな。。

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→本殿真横「天照皇太宮/手力雄神社/住吉神社/春日神社」

 本殿近くから「天照皇太宮」「手力雄神社」「住吉神社」「春日神社」である。「天照皇太宮」はアマテラスかニギハヤヒか迷うところだが、アマテラスだろうね。横にタヂカラオがいるので。

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→拝殿左の摂社・末社「稲荷神社&王子神社&愛宕神社」

 ウカノミタマを祀る稲荷神社。カグツチを祀る愛宕神社。で王子神社は??スサノオかアマテラスとスサノオの誓約で生まれた神々か??

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→本殿左の摂社・末社「猿田彦神社/大国主神社/保食神社/厳嶋神社/事代主神社/粟嶋神社/八意思兼神社」

 本殿から近い順で、サルタヒコ、オオクニヌシ、ウマノミタマかトヨウケ、イチキシマ、コトシロヌシ、スクナヒコ、オモイカネが妥当か・・。出雲と出雲の国譲り繋がりに見えるな。

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→聞楽院跡「鐘楼」

 神仏分離令までは「聞楽院」があったようです。明治5年に廃寺になりましたが、鐘楼が今も残っており、無料で突けます。

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此処より西域は昔の寺領で、神仏習合時代神宮寺、真言宗「聞楽院」と称する寺院があり、明治5年に廃寺となるも鐘楼のみ今に残っています。現社務所は旧寺院跡です。

 寺の御堂は社務所になっているよう。

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→境外摂社・末社「豊雛神社」奈良県磯城郡田原本町新町364

 表参道の道を渡るとリアル狛犬の神社がある!?

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 豊雛大明神??何それと参拝します。

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 そして次の写真だ!犬がいる!!!!!と思ったら作り物で、狛犬とポーズを合わせているように置かれていた。ちょっと面白スポットである。

↑帰化したリアル狛犬が写真奥に!?

 祭神は不明だが、保食神、トヨウケともある。そう伊勢神宮外宮の神である。いや、この地域を考えると京都の天橋立にある籠神社(私のNOTE)とした方がよさそうだが、よくわからないな。。。保食神=豊受大神=倉稲魂神と捉え、「豊雛大明神」として小祠を設けたのをもって創建とされているよう。また大氣津比賣神(オオゲツヒメ)と同神ともあり、全部祀りました~ということにしましょうかね。

 創建は江戸時代のこととされます。

全国の鏡師等相謀り御神鏡として 我が国最初に奉祀せる 国民尊崇の中心たる天照大神及び豊受大神(御一な 保食神)の小さき祠を奉祀すると共に 鏡作の祖とも云ふべき石凝留ノ命などを奉祀せる鏡作神社の祀らるに及び 両社共に氏子等の尊崇厚かりき、仰て當稲荷神社の祭神にあらせらるる保食神は申すも畏きことながら 伊勢外宮におはす豊受大神 或は官幣大社伏見稲荷神社の祭神倉稲魂神と 御神名こそ異なる同じ御神にして五穀の神なり。徳川幕府の頃、豊受大神の小さき雛型の祠を奉祀せし故を以って祭神を俗に氏子たちは豊雛大明神と申せしことあり
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 本殿右に稲荷社。社殿足元にお稲荷さんがおり、おあげさんがあった。脈々と歴史をつないでいる神社なんだなと思う。

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 神社拝殿右から本殿を見れますね。正しくは覗いたんですけど。

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 次の神社には徒歩が良いかと思います。車は止めるところがなかったです。神社に車で入れるかと思いましたが、無理ですね・・。

▽鏡作麻気神社:奈良県磯城郡田原本町小阪244

 「かがみつくりまけじんじゃ」と読む。『延喜式』の「鏡作麻氣神社」に比定される式内社。祭神は「天麻比止都禰命(天目一箇命)」とされるが、石凝姥命の父「天糠戸命」説もある。
 鏡作坐天照御魂神社から北東300mあたりに鎮座し、対になっている神社と思うので物部の「天糠戸命」かなという人が多そう。神社では天目一箇命と天津麻羅を同一神としているが、 「天目一箇命」は片目で見て鉄を打つ製鉄・鍛冶の神様のイメージが強いのだが真相はいかに。最後に、天糠戸命は鏡が板状になった鉄を磨く研磨に携わった神とのこと。

他力本願です。車を止める場所がなく行けなかったです・・。

 ちなみに福井「マキ神社」と関係しているのかなと期待していた。福井「マキ神社」は『当国に男大迹王(継体天皇)が大伴金村大連等の要請を受け入れ、天皇位に登り給うた時、皇女・麻績娘女が病床に伏し、薬効がないのを憂いていたところ、ニギハヤヒに平癒を祈念された処、病が癒えた』そうな。
 前述の「鏡作坐天照御魂神社」がニギハヤヒであり距離なども考えると一対の神社なのではと思ってしまうのだが。

 と言いつつ、滋賀にも「マキ神社」がありますね。なんか物部氏の匂いがするのは気のせいか?

 石凝姥命は前述の「鏡作神社」、「石見鏡作神社」にもいますね。ここは駐車場もなく、神社は北側からになるが、車で入るのは無理な細さです・・。

▼メディア情報

これ以降は本NOTEの下にあるコメント欄で追記します。

▼旅行記

初版以降の参拝は以下の旅行記の纏めで参照です。

▼セットで行くところ

▼仏像展


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