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yamayamaya
2024年7月29日 10:00
◆犬の発汗 犬には人間以上に暑さが応えるようだ。 人間は全身で汗をかき、気化熱によって体温を下げている。ところが、犬は足裏の肉球でしか汗をかかない。熱中症の危険性は人間の比ではない。 地面が熱いと、肉球をやけどすることがあると聞いた。 我が家の盲導犬・エヴァンに靴下を買ってやったところ、歩いていて脱ぎ捨ててしまった。裸族に靴を無理強いしたようなものだ。以来、素足で出かけることにして
2024年3月2日 09:14
◇起き上がり小法師 いつになく、盲導犬のエヴァンが鳴いた。 一声だけだった。何かを要求しているか、何かを知らせている鳴き方だ。 寒くても、起きるのが辛いと感じたことは、あまりなかった。「トイレ、我慢しているだろうな」 と思い、跳ね起きることにしていた。 関東に住んでいたころ、健康のために合気道教室に通ったことがある。ほとんど身に付かなかった。ただ、受け身を応用し、起き上がり小
2023年10月21日 09:37
◆くつろぎ 人にも動物にも、居場所があることは重要だ。 どうやら、我が家の盲導犬・エヴァンはダイニングのテーブルの下が、最も居心地がいいらしい。 エヴァンの夕食は六時前後と早い。家族がゆっくり食べたり吞んだりするのを、ケージのそばで忙しく尻尾を振りながら、見ている。そのうち就寝前のワン・ツー(トイレ)。庭で済ませて戻ると、リードを外され、指定席でくつろぐことができる。 日課になっ
2023年10月13日 17:09
◆『動物王国捕物控』事情 私が初めて書いた小説『動物王国捕物控』(文芸社刊)は、盲導犬ユーザーの山谷鍼灸師が主人公だった.。過疎化で消滅した村の跡に、土着の動物たちが王国を建国する、などという荒唐無稽な話である。 当然のことながら、動物がたくさん登場する。人間社会同様、トラブルも起きる。一種の推理小説で、どんな推理、方法によって解決していくかが見どころである。主役をどの動物にしようか考え
2023年10月10日 14:36
◆無関心 雪印の6Pチーズは、酒のつまみにも好適だ。食べてしまったので、空き箱をエヴァンに投げてやった。喜んで遊んでいる。やがて、噛んでボロボロにしてしまう。 ふと、思いついて、ネットでフリスビーを買ってやった。愛犬家なら、フリスビーを投げてやり、犬が空中でキャッチするシーンに憧れる。勇んで、近くの広場に行った。 ところが、エヴァンは興味を示さなかった。我々と共に、円盤の行方を見
2023年10月4日 18:08
◆癖の観察 人間、癖がないようで、あるものである。動物の場合はどうかと気になったので、エヴァンを観察してみた。 これというものが見当たらない。「犬はどれもみんな同じなのかな」 と思っていると、治療を受けていた患者さんがエヴァンを見て笑った。「あの恰好みて。面白い寝かたするんですね」
2023年9月30日 09:30
◆散歩かエサか エヴァンが我が家の仲間入りした当初、ある方から「犬はエサをくれる人よりも、散歩に連れて行ってくれる人になつく」と言われた。 真偽のほどは分からないが、犬はどちらも楽しみにしているのではないか。散歩の足取り、ドッグフードを食む勢いには、甲乙つけがたいものがある。いずれにしても、幸いにして、私は二役を兼ねているので、ひと先ず安心してよいだろう。 毎朝、夏季は六時過ぎ
2023年9月28日 09:37
◆招かれざる客 雷神が我が家の上空に、長逗留(ながとうりゅう)した夜があった。 ミニチュアダックスフンドのシモンは、しきりに吠える。 盲導犬・エヴァンは訓練されているので、吠えることはしない。しかし、シッポを股の間に巻き込み、怯えている。リードを外してやり、抱きしめて落ち着かせる。 二匹とも、招かれざる客が去った後も、しばらくは不安そうな様子だった。 思えば、二〇二〇年の夏、
2023年9月26日 12:31
◆予行演習 家族から、鍼治療を依頼する電話があった。状態がかなり悪く、通院は無理らしい。「一度診せていただき、何でしたら、定期的に往診しますよ」 とは言ったものの、無事到着できるか心配だった。 患者さん宅は散歩コースにはある。しかし、うまく相棒のエヴァンに、家の前で止まるよう指示が出せるかどうかだ。妻に付き添ってもらい、予行演習をした。その後、散歩のたびに確認しておいた。
2023年9月24日 09:28
◆気配り エヴァンは外を歩く時、一心に前方を見て、ぐいぐいと前進する。これが室内になると、歩きながらしきりに私を振り返る。毎日のことなので、気にはしていなかった。 この春、盲導犬チャリティの詩吟リサイタルが徳島市内で開かれた。そこで、エヴァンが私と歩く様子が愛らしいと、話題になった。どうやら、エヴァンの歩き方に特徴があるようだ。 朝食が終わると、ふだんは治療院で過ごす。移動する時の様
2023年9月22日 18:50
◆健康は食事管理から 我が家の飼い犬、ミニチュアダックスフンドのシモンは、好きな時間に食事をしているようである。だらだらと食べ、ドッグフードがいつまでも食器に残っていることがある。 盲導犬の場合、食事管理も厳しい。朝夕の二食である。太りすぎるとフットワークが悪くなる。また、種々の病気にもかかりやすくなるからだ。 当初、毎回120グラムと、訓練士から指示されていた。それをきちんと守
2023年9月21日 12:25
◆ある猫の失踪 我が家は2015年、埼玉県I市からUターンした。妻と次女、それにミニチュアダックスフンドのシモンが一緒だった。 私は埼玉の治療院で仕事を続けているというのに、妻たちは二泊三日かけて四国に戻った。シモンは長旅に疲れ果てたことだろう。 シモンは2009年、山梨県生まれのメスだ。 先に飼っていたメスの三毛猫、ミケ太が失踪した。事故にでも遭ったのではと、妻が保健所にも問
2023年9月20日 14:30
◆顔合わせ 数多くの候補犬の中から、訓練士が選んだのがエヴァンだった。 犬と人間にも、当然のことながら、相性がある。訓練士の洞察力、鑑識眼が問われるところだ。 訓練士とエヴァンが、私の治療院に入ってきた。その大きさにまず驚かされた。半ば口を開け、息遣い荒く私を見ている。訓練士がリードを緩めると、エヴァンは私に寄ってきた。私も頭を撫でてやる。 まるで、新入社員の初出勤だった。それ