熱中症警戒アラート
◆犬の発汗
犬には人間以上に暑さが応えるようだ。
人間は全身で汗をかき、気化熱によって体温を下げている。ところが、犬は足裏の肉球でしか汗をかかない。熱中症の危険性は人間の比ではない。
地面が熱いと、肉球をやけどすることがあると聞いた。
我が家の盲導犬・エヴァンに靴下を買ってやったところ、歩いていて脱ぎ捨ててしまった。裸族に靴を無理強いしたようなものだ。以来、素足で出かけることにしている。
◆ダイエット
最近の猛暑で、道路は焼けた鉄板と化している。散歩好きの犬でも、外に連れ出すと、しり込みする。すっかり外出の機会が減った。
盲導犬訓練所からは「運動不足で肥満になるといけないので、食事量を減らすのも一つの方法」と連絡があった。少し可哀そうな気もしたが、取り入れた。
◆自己判断
週によっては、ほとんど室内で過ごす。犬もストレスが貯まるだろうと、夜に気温が下がれば、散歩に連れ出すことにした。
歩いていると汗が噴き出してくる。やはり、今年の暑さは尋常ではない。
「フルコースの散歩はエヴァンにもきついのでは」
などと考えながら、真っ暗な夜道を歩く。
心配は無用だった。丁字路に差し掛かると、直進するところをさっさと曲がったのである。コマンドも出していないのに、自己判断で帰宅してしまった。
初めてのことなので、家で話題になった。
「早く帰りたかったのだろうなあ」
と家族で同情することしきりだった。
◆反省を活かす
久しぶりに雨が降り、夕方から気温が下がった。夜、トイレをさせ、思い起って散歩に出た。
雨の後なのでムシムシした。初志貫徹するかどうか迷っていると、丁字路でエヴァンが立ち止まった。私の方をうかがっているようなので、直進のコマンドを出した。久々に長時間、散歩することができた。
(この間の会話を聞いていたな)
と思った。
盲導犬だって、職務を忘れ、自己本位に行動することがあるだろう。反省を活かすところは、さすがに訓練された犬だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?