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パン作りをはじめたきっかけと、パンへのこだわり
お久しぶりです、あるいは、はじめまして。やまのうえのきのこです。
今日は、趣味のパン作りについて、書いてみたいと思います^_^
◆パン作りを始めたきっかけ◆
昨今、グルテンフリーの流行で、パンやパスタなど、小麦製品全般に対して、警鐘が鳴らされています。
しかし、なにを隠そう、わたくし、パンが大好きなのです。もちろん、日本人の主食、ご飯も大好きですよ。朝は圧倒的にご飯派です。しかし、1日1食はパンを食べたい、それも、スーパーで売っている袋詰めのパンではなく、その日に焼いたパン――パン屋さんのパンか、自分で焼いたパン――が食べたいのです。
以前は、自分でパンを作るなど、選択肢にありませんでした。
小さい頃に、母親と一緒に、インスタント・ドライイーストの箱に付属のレシピを参考にして、バターロールの生地を作って、焼いたことも何度かありました。
しかし、味がいまいちなのです。いえ、「これはこれで、美味しい」と言えなくもないのですが、なんだか、パン屋さんで売っているパンとは、見た目も、味も、全然違って、雲泥の差なのです。「やっぱり、パンはパン屋さんで買うのがいいね」という結論に至ってしまいました。パン作りは、むずかしいのだな、と幼心に刻まれました。
家族といっしょに暮していた頃は、パン屋さんのパンを買うことで、十分私は満たされていました。私は小さい頃は鳥取市で暮らしていたのですが、当時は、とても美味しいパン屋さんがたくさんあったのです。鳥取は、皆さんもご存知のとおり、とても田舎の県なので、町の中心部に住んでいる人でさえ、「自家用車必須」の町なのですが、それくらい田舎なだけあって、水が美味しいし、空気が綺麗なのです。すると、必然的に、食べ物も美味しくなります。都会に出てきてはじめて知りましたが、これは鳥取の素晴らしい点のひとつだと思います。地元に住んでいた時は、気づきませんでしたが。
そのように、あたりまえのように食べ物が美味しい場所でしたので、パンも、もちろん美味しいのです。ふつうのパン屋さんの、ふつうのパンが美味しい。そりゃそうですよね。みなさん、美味しいものを食べて、舌が肥えていらっしゃいますし、パンのほとんどは水でできているのです。仕込み水が美味しければ、それはもう、パンも美味しくなります。
そういうことで、私は、小さい頃から美味しいパンをたくさん食べて育ったのです。
しかし、大学進学を機に、広島県に出てきてからは、食についてのカルチャーショックを受けました。私の通う大学は、広島市ではなく、ちょっと田舎のはずれの方にありました。田舎なので、水は綺麗か、と申しますと…。すみません、これは、広島に対する悪口になってしまうのですが、広島の水道水は、全然美味しくありません。大学が移設した関係で、ここ近年で急激に開発された町なので、どうにも、土地に対して人口が多すぎるみたいなのです。それで、生活水については、けっこう問題を抱えている…という風に、大学の講義で習ったような気がします。
パンも、パッとしませんでした。いえ、これには理由があって、鳥取にいた頃は、母の車に乗って、遠くの美味しいパン屋さんにも通うことができたのですが、大学進学して一人暮らしになったので、移動範囲が減って、遠くのパン屋さんに行けなくなったことも原因です。ひょっとしたら、移動範囲を広げたら、もっと美味しいパン屋さんが見つかったのかもしれません。あるいは、広島市内まで行けば、美味しいパンにも巡り合えたでしょう。
しかし、その時、私の手の届く範囲に、美味しいパン屋さんはなかったのです。特に、私は、「よもぎパン」を偏愛しておりましたが、よもぎパンを売っているパン屋はなかった。これが、私を、パン作りに駆り立てた原因です。うちの母親は、「美味しいものが食べたければ、自分で作れ!」というのが口癖でしたが、まさに、「美味しいパンが食べたければ、自分で作れ!」です。
◆パンへのこだわり◆
愛情――これを、どう定義すればいいか分かりませんが、愛情の反対は無関心、とマザーテレサは言っていたように思います。つまり言い換えれば、愛情は、無関心の反対、つまり、「とても関心がある」、という状態だと思います。
私は、パンに対して、並みならぬ執着とこだわりがありますが、それをパンに対する愛情という風に言うこともできるかもしれません。パンならなんでもいい、どんなパンでも好き、というのではなく、好きなパンと、嫌いなパンが、はっきりしているのです。美味しいパンでなければ、嫌なのです。
私は、自分自身が満足できるような、美味しいパンを作るための努力をはじめました。色々なレシピを見て、実際に作ってみたり、パン職人が書いた本を読んだり、ブログを読み漁ったり…。そうして得た知識と、実際に自分でパンを焼いては食べを繰り返してきた経験によって、私は、今では、自分を満足させたり、家族を喜ばせたりするパンを、安定して焼くことができるようになってきました。しかも、それには、少しの手間と、少しの材料費しかかからないのです!
ということで、以下に、私がパンを作る時に大切にしている4つの点を、技術などの実際的な面と、パン作りの精神的な面の両面から、説明していきたいと思います。特にパン作りを仕事としているわけでもない、一般人の、ただの趣味としてのパンへのこだわりの話ですが、もしも誰かのお役に立てばと思っています。
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