介護サービスも値上げが切り札か
1.介護ビジネスはストックビジネス
介護、特に訪問介護などの在宅サービスは本来、青天井ですし、インフラ同様ストックビジネスの要素が強いはずです。
多くのケースで数年~長い年月に渡り、契約が切れるまで介護報酬と顧客からの売り上げがあるからです。
※ストックビジネスとは継続的に顧客から収益を得るビジネスです。
従って介護業界は収益を継続的にあげやすい業態です。しかも今は介護も特に人材不足であり、売り手市場のはずです。が、、、
2.なぜ介護関連の仕事は低所得か
それなのに、なぜ今も同年齢の他業界の平均給与水準より低くなってしまうのでしょうか。
以下、私としての考察です。
①介護サービス基準費用がそもそも安すぎ
国がある程度介護サービスに関して基準費用を決めております。それに対して利用者負担が1割から3割と所得により分かれます。
介護負担割合については利用者家族だけでなく、施設側もでも業務上良く話にでますが、介護事業者に入ってくるお金は変わらないです。
個人的には基準費用を大幅に上げるしかないと思っております。
②固定費が高い
社会福祉法人など一部税制上優遇されていても、入所施設などの固定費は高いです。しかも①の基準費用に対して高いのかもしれません。
③内部留保
数年前、メディアにて特養などの介護施設の内部留保が取り上げられておりましたが、収益に対しての労働者側への報酬が現実少ない事もあるかもしれません。
勿論、一概に内部留保が悪いとも言えませんし、ある程度は必要不可欠です。又、資産として計上されるので、施設などは土地等がカウントされているかもしれません。
④高卒、専門卒の給与が基準
多くの介護事業所の求人を見ればわかるのですが、大卒、高卒、専門卒と給与を分けておりません。大体が資格と経験を考慮にいれた基準が設けられているようです。
従って、言い換えれば、学歴に関してだけ言えば高卒、専門卒が基準となっているところが多いです。これでは他業種に給与が追い付かない訳です。
3.仮に人材不足が解消されると
ところで、今は完全に介護の人材不足で売り手市場です。現在水際対策の規制緩和も進み、仮に特定技能や技能実習生なども後押しとなり、人材が飽和されると(ないと思いますが)完全に買い手市場です。
そうなると介護職の給与に関しての未来は絶対明るくなりませんね。売り手市場の今ですら給与水準が低いのですから。買い手市場の介護業界なんて、良いのですけどね。
4.サービス料の値上げしかない!
上で私が考察した、固定費や、内部留保などは介護事業所によって千差万別ですし、不確定要素ですが、国が定める基準費用は価格設定を練り直す必要があります。
サービス費用(介護報酬+利用者負担)の売り上げからでは、売り手市場でもあるにも関わらず、他業界と比べて低い賃金しか払えないのがその理由です。
本来は、国が基準費用をもっと上げてくれれば良いと思う所ですが、現状は経費のあまり掛からない、付加価値的な自費サービスで売り上げを確保していくしか、介護職員への報酬アップには繋がらないと思います。
私はこのままでは半永久的に、介護士の報酬アップは年収ベースでは微々たるものであると思います。
物価上昇に併せて介護サービス費も、一気に上げる必要があるのではないでしょうか。