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【書評】『ちゃんと生きない。〜自分を優先する勇気〜』いっせい(著)/サンクチュアリ出版

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身体の不調を感じることって、誰しも多かれ少なかれあるかと思います。
自律神経が乱れているとか、なんだかだるいとか、呼吸が浅いとかとか……

整体に行ってもストレッチをしても治らないと思っていた、その症状。

実は、今している対処は本質的なアプローチになっていない可能性があるのです。
根本的な”あること”を変えなければ……

本の概要

『ちゃんと生きない。〜自分を優先する勇気〜』は2024年11月7日に発売された本です。

著者のいっせいさんは、整体師。整体というと私を含め、「定期的に通う場所」みたいに思っている方も多いかと思いますが、いっせいさんは「卒業させる整体院」を経営されています。
X(旧Twitter)Voicynoteと、あらゆるSNSでその方法を発信されています。

いっせいさんは19歳のある日、突然身体が動かなくなり、ほぼ寝たきりに。3年間で50カ所以上、300万円以上かけてあらゆる病院や整体院や整骨院、ヒーリングに通われたのだそうです。

やがて独学で身体について勉強するようになり、さまざまな論文を読んで効果がありそうな内容を取り入れて実践すると、右足のしびれが1か月で完全に消えたのだとか。

その後も数々のご経験により、あらゆる不調から卒業するには「ちゃんと生きないこと」だと気付いたのだそうです。

本書『ちゃんと生きない。〜自分を優先する勇気〜』では、私たちが本音で生きるために心の我慢を手放す方法が書かれています。

こちらの本をおすすめしたいのは、あまり自分を出すのが得意ではない方や常に何かしら緊張した感じになっている方、ついつい頑張りすぎてしまう方、だるさやコリといった身体の不調を抱える方などなど。

逆に対象ではなくなりそうなのは家族や仕事仲間、友人問わず他人に対していつでも本音で接することができる方。あとは他人からのどう見られるかが全然気にならず「不調って何?」という方。

【コンテンツ例】
・バカは風邪をひかないけれど マジメは大病をする
・だるいは「止まれ」
・肩こりや首がこるのは 圧を受けている証拠
・頭痛持ちの人は 細かいことに気づく人
・不眠症になるのは 昼を他人のために生きているから
・痛風は贅沢病ではなく ストレス病
・本当は「不調は味方」
・「痛みがない場所」が 一番危ない
・みんな息をしていない
・何も足さないのが本当の健康
・健康な人に友だちはいらない
・悩みのない人に趣味はない
・あなたの症状は右に出るか 左に出るか
・禁酒できない本当の理由
・「ありがとう」より 「バカヤロウ」を身体は喜ぶ

サンクチュアリ出版ホームページより

読んだ感想

いや、この本はすごい。
私は毎回、ポストに本が届くと「わぉ٩(*´︶`*)۶」って感じで喜んでいるのです。昔から郵便が好きでポストを開けたがっていた子どもだったのですが、ポストを開けると、そこに好きな本が入っているわけですから!

毎回そうではありますが、こちらの本は特に楽しみにしていました。なぜなら説明文を読んで、私自身、ばっちりこちらの本のペルソナだと思っていたからです。

整体に行けば「緊張性のコリだね。性格だね」と言われがちな自分。何かに対して「やりたくないなぁ」と思っても、全体を見て「自分がやらなきゃか〜。仕方ないか」みたいなシーンが会社員時代、多かったように思います。

形状記憶合金が元の形に戻ろうとするがごとく、気付いたらちゃんとした行動をしようとしてしまうので、この本に書かれている『ちゃんと生きない』という言葉が刺さりましたね。その思考は降りてきているはずなのに、できないときがあります。

こちらの本では1頁にひとつのトピックが書かれていて、どこからでも読めるし、どこでも中断できる。私自身、夜寝る前にふむふむ、と読んでいました。
おそらくあまり出会ったことのないような本で、なんだかカウンセリングを受けているような気分になりました。

読みながら昔見た、とある番組での光景がふと頭に。かつて某局で悩みを抱えた芸能人に対し、相談員たちがアドバイスするという番組がありました。そこで心理カウンセラーの心屋仁之助さんが「自分に続いて同じ言葉を言ってください」みたいに言うのです。その言葉は相談した芸能人が、思っていたけれど言えていなかったようなフレーズだったと思います。
相談した芸能人が心屋さんが言うその言葉を復唱すると、ぼろぼろと泣き出すシーンがあったのが衝撃的で覚えています。そしてその芸能人が心屋さんに言うのです。「なんでわかったのですか」って。

なんだかそんな場面が思い浮かび、心屋さんが芸能人に対してそうされていたように、私もこの本からいろいろ気付かせてもらっているなぁ〜と思いました。カウンセリングを受けているような気分。

刺さる記載がありすぎて手元の本はふせんだらけなのですが、印象的な部分を引用してみます。

整っている人ほど、友だちがいなくなる。

いっせい『ちゃんと生きない。〜自分を優先する勇気〜』(サンクチュアリ出版、2024)114頁

ここの記載は、衝撃的でしたね。なぜかというと、ここ最近自分が「友だちに会いたいと思うときがほぼなくなったなぁ」と感じていたからです。
それはそれでボッチでどうなんだと思うかもなのですが、本を読んだり執筆したりしているのが楽しいのですよね。

大学や20代の頃は、しょっちゅう友達と遊んでいました。土日両方とも遊ぶとか、結構あったような。
この変化はなんだろうな〜と思っていたのですが、自分はもしかしたら整っているのかもしれないと思いました。

なんとなく今の感じで、よろしくやっていき、人に会いたいときにたま〜に会う感じで大きな問題はなさそうだなと思いました。

あまり人と会わないことに対して、内向型だから孤独に強いからかもと思っていたのですが、「整っている」という視点は持っていなかったので印象に残っている記載です。

ところで、こちらを読んでくださっている皆さんは誰かに対して本音を伝えることは、できていますか。

私は「本音を伝えること」がテーマになっているこちらの本を読みながら「そういえば本音で話せる人って誰だろう」「最近どんな方と関わっていたかな」「過去はどうかな」と思い出してみました。

考えてみたところ、わりと家族には「外部でこういうことがあって嫌だった」なんて言えているかな。

逆に本音で話せないというか、私自身本音で話すという頭がもともとなかったのが、会社関係の方かなぁ〜と思います。なぜなら、私の本音なんて「お昼寝したいねぇ」「ゆるくやりたいねぇ」「天気がいいし、お散歩に行きたいねぇ」「よし、もう今日は帰っちゃおう」って心のなかで想像していた感じなので。

すっくと立ち上がり「じゃ、眠いので今日は帰りますね。電話応対、よろしゅうです。それでは!」なんて言ったらクビになってしまいますからね。

わりと根が怠惰な人間なので、それを出さないように何層もの鎧を着て表情筋の特殊メイクを塗りたくり「仕事ちゃんとやります人間」になっていたように思います。

ただ、そのなかでもお客さまにどうしたら満足度を高めてもらえるかとか、今の仕事でいうとどうしたら読者にとってわかりやすい記事になるかとかって考えることに対しては怠惰にならず、楽しんでやれている。この違いはなんだろう。「自分のWillがあるかどうか」かな。またいつかまとめたい。ちょっと話がそれましたので戻します。

過去を思い返せば何かしらの集団に属し、人と協力するようなときにも、わりと飲み込んできたのかなぁと思っています。

例えば自分は「気付いた人がやろう」みたいな言葉が嫌いで、なぜかというと自分が気付きやすい人だから。

そんなときに思っていたような本音を、仮に話したとしたらどうなるか想像してみました。
……うん。なんだかあまりよくない反応をもらいそうな気がします。その姿を想像して「それよりは面倒じゃなさそうだから自分でやってしまおう」と思っていた過去の自分を思い出しました。

それでも、もう少し本音を話す度合いを高めていったらいいんじゃない? と自分に対して思うような記載も見つけました。

該当部分を引用します。

本音を言うとは、会議をすることじゃない。
別に、「わかってくれなくていい」のだ。
(中略)
言いたいことを、生の感情を、そのままぶつけること。
「これが自分だ」と明確に、伝えること。
それが、本音を伝えるということ。 

いっせい『ちゃんと生きない。〜自分を優先する勇気〜』(サンクチュアリ出版、2024)183頁

「本音を言うときは自分も誰かの感情も動くだろうから、きちんと自分なりに整えて筋を通して伝えなきゃ誠実じゃないよなぁ」と、なんとなく思っていました。
そう考えているうちにタイミングを逃して、もしくはあえて合理化のために自分をだまして判断を遅らせ「まぁ過ぎたことだからいっか」みたいに、むりやり消化。

たしかに自分の言うことを汲むか汲まないかは、相手が相手の考えのもと判断することだし、こちらが言うときには別に気にしなくていいのかもなぁと思いました。

そう考えているうちに、わりと自分の肩がこったり自律神経が乱れたりする理由が見えてきたような。

ストレッチするとか鍼を打つとかでは解消できないような、もう少し認知のゆがみを治すとか、NLPとかそっち系の話になるのかな。

あと「これ刺さったシリーズ」の最後。

「対人関係が苦手で、仕事をしたくない」。
誰にでも当てはまりそうなことだけれど、その傾向が極端な人がいる。
そういう人は、「甘えたい人」。
小さいときに親に甘えられず、そこで成長が止まってしまった。

いっせい『ちゃんと生きない。〜自分を優先する勇気〜』(サンクチュアリ出版、2024)237頁

これは! って思いましたね。
私は「なんか悪いな」と思ってしまい、人にあまりお願いができないタイプ。自覚はないけれど、もしかしたらこれに当てはまるのかなぁ〜と思っていたら、しっくりくる記憶にたどり着きました。

あれは確か、3歳頃。親に服を着るのを手伝ってもらっていたときのことです。私が着ている服のボタンをかけようとする親に「自分でやる!」と、言いました。そしたら、親にめちゃくちゃ褒められたんです。

そして、こう思いました。

「自分でやったら褒められるんだ!」と。

褒められたことがうれしかったんですね。

おそらく、そのときの記憶が根底にあるまま大人になったような。仕事でわりと難しい案件でも自分でなんとか調べ、やり遂げてきました。

その力を評価していただいているのを感じる一方、手元の仕事が相対的に増えている気がしていた。「やまねさん、よく仕事受けているね」と言われたので、客観的に見ても認識は同じだったと思います。

う〜む、本当、自分の根底にあって固まっている思考に、刺激を与えられた気分です。
肩がこっていたらストレッチ! じゃぁストレッチの方法は〜……というのではなくて、肩がこる心の原因は? 不眠症になる心の原因は?と、あらゆる不調が心と結びつけられていておもしろかったですね。実際に読んでいて納得もしました。

そんなこんなで、あまたあるうちの一部を引用しながら紹介しました。

自分は本をよく読むものの、あまりない方向の気づきをいただいたので、いっせいさんの整体院が気になっちゃいました。
Googleの口コミを読んでいたら評価が高く、さらに気になる……!

「メールが苦手」とか「不眠になる」とか「気分の浮き沈み」とかとか、わりとどの方が読んでも学びになるようなテーマが扱われている本書。本屋さんで見かけたらペラペラとめくってみてください。

ずきゅん! と思うトピックが見つかって、買いたくなるかもしれません。

ちなみに正直レビュアーの「正直っぽい要素」を無理に探すのは今回からやめました。

サンクチュアリ出版さんのホームページで詳細を見られます。

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執筆者:やまね|ライター
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