帰り道(2024.11.18)
昨日長男(9歳)とクロール対決した事で、体のあちこちが悲鳴を上げていた今日。
体力の低下を痛感して、自分が地べたを這う虫になったような気がしていた。生き生きと道端を闊歩する他所の子供たちを、「あんなふうに自由に空を飛べたらいいのに」と、蝶を羨むダンゴムシのような気持ちで見ていた。
急に寒くなって、暗くなるのも早い。体がガタガタなので、余計に冷え込みが骨身に染みる。下二人を幼稚園にお迎えに行った18時過ぎ、辺りは真っ暗で、茫漠とした暗闇の中に園舎の灯りがそこだけ煌々と光っている。
園の廊下を半ズボンで走り回る園児たち。風邪を引きはしないかと他所の子の事ながら心配になる。次いで、やってきた私の子供らはなぜか衣服が矢鱈と乱れていて、先生にそれを正されている。
11月なかば、18時過ぎの幼稚園は真っ暗で、もう園児たちもあらかた帰ってしまっているから、物寂しく、暗闇と静寂が昼間の負け分を取り返すように、ぐんぐんと園舎を浸食してきているみたいに感じる。
そんなふうに思っている私とは対照的に、私の子供たちはすごく元気で、園の出口まで一目散に駆けて行く。その駆け足はすごく速くて、荷物を両手に持った私は容易に追い付けない。運動会でもそんなふうに走れたら間違いなく一等賞だっただろうと思う。
だだっ広い砂利敷きの駐車場、もう停まっている車もまばらだ。街灯などないから真っ暗な中、長女(5歳)がついてきているのを確認しながら、次男の手をつないで慎重に車まで行く。最近はだいぶ聞き分けがよくなって、駐車場では遊ばずにまっすぐ車まで歩いてくれるようになった。
子供たち二人を車に乗せてベルトをし、それでようやく一息つける。車を出してしばらくすると、お昼寝をしていない長女は眠ってしまい、次男(3歳)が「でっかい人の歌かけて」と、進撃の巨人の歌をかけるようにせがんでくる。「紅蓮の弓矢」というやつ。
私はなんとなくそういう気分じゃなかったから、無音のまま車を走らせた。家に帰るとパンツいっちょうの長男が真顔で「おかえりー」と言った。