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駄洒落の打率(2024.12.05)
長男(9歳)は駄洒落をたくさん考えては、いちいち私に聞かせてくる。私はそれを毎度採点しているのだが、だいたい100点満点で2点とか5点だ。
大概「カレーはかれー」みたいな全ての日本人が生涯のうちに一度は口にするレベルの駄洒落だが、私はちゃんとそれらを採点し、批評を述べる。
「それは言い古されている」とか「それは日本人が死ぬまでに絶対言うやつ」とか「それは語源が一緒だからそもそも駄洒落になってないです」とか。
ここ3日くらいずっとお腹の具合が悪く、何か食べては下していた次男。今日の夕方くらいに長い昼寝をして、目が覚めたらだいぶお腹の調子が戻ったみたいだ。夕食も少し食べて、その後トイレに駆け込む事もなかった。
風呂に入る前、次男のお腹がすごくほっそりしている事に気づいた。食べたものがほとんど腹の中に残っていないので、しぼんでしまっているのだ。うちの家族の中では珍しくあばら骨が出ている。よほどお腹が空いているのだろうなぁと思うが、食欲はそんなにない。きっと明日の朝はたくさん食べるのだろうなぁと思う。
子供らと風呂に入る。
長女や次男の体を洗っている私を浴槽の縁に立って見下ろしながら、相変わらずしょうもない駄洒落を連発してくる長男。私の頭のすぐ上に長男のちっちゃなちんちんがぶらぶらしててうっとおしい。しかも駄洒落の内容は「栗をくり」とか「窓はまーどうですか」とか「キーマカレーにきーまった」とか本当にしょうもない。
しかし下手な鉄砲も数打ちゃ当たるもので、長男は一発特大のホームランをかっ飛ばした。それが以下の駄洒落だ。
「ストーブがすっ飛ぶ」
どうだろうか。今までにない斬新でクリエイティビティー溢れる駄洒落ではないだろうか。そしてさりげなく季節感もある。
私はこれに92点をつけた。おそらく歴代最高得点であろうと思う。私は長男をほめちぎった。「やればできるじゃないか!」
めちゃくちゃ褒められてホクホク顔の長男。意気揚々と風呂から上がって妻に「ストーブがすっ飛ぶ」を披露していた。が、忙しい妻にはあまり相手にされていないようだった。
んで、今ふと思いついて「ストーブがすっ飛ぶ」でググってみたら、普通に色んな人が同じ駄洒落を思いついていてがっくりした。そして考えてみれば駄洒落界において未踏の地などとうにないのだろうという事実に思い至った。誰も言った事のない駄洒落なんてこの世にまだあるのだろうか。駄洒落界はとっくにレッドオーシャンなのかもしれない。