【美の階梯‐低次と高次の美‐】プラトン『饗宴』を読んで
『饗宴』プラトン 2013.9.10発行 光文社古典新訳文庫
プラトンの生涯
「対話形式」で繰り広げられる『饗宴』
プラトンの著作はソクラテスを中心とする登場人物達の対話から物語的な仕方で構成されています。プラトン自身は基本的に対話篇に登場しません。
以上の事実から、いわゆる「プラトンの哲学」の内容を把握しようとする上で、様々な問題やメリット・デメリットが考えられます。
プラトン自身の考えが記されていないため、プラトンがどういうふうに考えていたかが正確にはわかりません。
ただこの書物は対話形式で書かれています。
このことから読み取れるのは、プラトンは自身の考えを述べるよりかは、何か他の意図があってこの形式にしたと思います。
その理由として、世の人たちにソクラテスを知ってほしかったのか、もしくは問を投げかけて疑問を持たせ考えるきっかけを与えたかったのか、はたまたプラトン自身がソクラテスはどんな人物だったのか、またソクラテスの考えを探求するために書いたのか。
ただ一つ言えるのは、プラトンは対話を重視したかった。そして、もしかしたらプラトンは対話がしたかったのかもしれません。
また、この書物は単に読むだけのものではなく、読者自らその作品の中に入り込んで、対話に参加して既成観念にとらわれないような、自身の思考の枠組みを広げる意図があるとも思いました。
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