【のばら】から熱くゲームを語る?
今回も需要無視
今回は ファイナルファンタジーII(FF2)を取り上げます。言わずと知れた、ファイナルファンタジーシリーズの2作目で、1988年にスクウェア(現 スクウェア・エニックス)がファミコンのソフトとして発売し、他のプラットフォームやアプリに移植されています。
このゲームの世界観は、やはり序盤から。
電源をいれて流れてくる、このプレリュード、FFシリーズの世界観が出ていると思います。
ゲーム音楽館さまのサイトから↓
主人公がいきなりパラメキア帝国の黒騎士にやられるのですが、打倒・パラメキア帝国のために、反乱軍に参加するシーンの音楽↓
そして、ワールドマップ上に流れるメインテーマ↓
ハードの性能から現在のような滑らかで、人間味溢れる画像とは言えません。しかし、それを補って余りある、天野喜孝作の取説&カセットに描かれているイメージと植松伸夫作のBGMが想像力を掻き立てます。
キャラ成長
本作では、いわゆるレベルアップはありません。これについては賛否両論あり、FFシリーズのゲームとしての評価にも繋がるところではあります。
同時期に発売された「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」はがっちりレベルがあったり、キャラクターの職業というものが確立していました。
しかし、FF2ではその辺はある割と自由にカスタマイズできるという面では、割と挑戦的な試みだったと私は評価しています。のちのFFシリーズでのキャラクター設定などに良い意味でも、悪い意味でも影響を与えたと思います。
「きさまら はんはんぐんだな」
ゲームとしてのゴールはパラメキア帝国の皇帝を倒して奪われたフィン王国およびカシュオーン王国、ディスト王国を取り戻すことです。
この世界観を体現すべく、FF2では敵サイドが帝国軍で、主人公およびその仲間たちがその帝国軍に抵抗する反乱軍の協力者という位置付けで、反乱軍のテーマと合言葉【のばら】が存在します。
このあたりのストーリーの一貫性は、いまのゲームでは定石なんでしょうね。しかし、1988年を考えたときに、映画やドラマ以外で複雑な人間関係や命の尊さなどを描く色濃い人間ドラマをゲームに盛り込んだ例はほとんどないと思います。
そして、その挑戦がのちのファイナルファンタジーシリーズにつながっていると思うと、FF2はスクウェアが成長していくという試金石となった作品だったと評価すべきでしょう。
その後のスクウェアは?
株式会社スクウェアは、2003年に株式会社エニックスと合併し、株式会社スクウェア・エニックスが発足します。存続会社はエニックスで、スクウェアは解散することになりました。
ニュースを聞いた当時はビックリしましたが、その後もスクウェア・エニックスが以降も良質なゲームを生み出していることには感慨深いものがあります。
先達の礎というか、偉大なる過去は尊重しつつ、新しい時代に向かって進むこと…一見すると難しい事業継承、事業継続について考えられるようになったのも、FF2のおかげかなと言ったら言い過ぎですかね。(了)