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書くセルフケア:認知行動療法

僕はこれまで、手帳を変えるたびに、さまざまな手帳術やノート術を試してきました。メンタルを崩してしまった時期に有効だったのが、認知行動療法(CBT:Cognitive Behavior Therapy)のフレームワークに則って自分自身の心理状態をノートに書き出すものでした。メンタル不調を乗り越えた今でも、日常のストレスやショックを感じた時には認知行動療法で気持ちを切り替えるようにしています。

認知行動療法とは?

認知行動療法は、アメリカの精神科医アーロン・T・ベックによって開発された、うつ病に対する精神療法のひとつです。うつ状態に陥った時、ネガティブな物事の捉え方を見つめ直し、現実的でポジティブな考え方を取り入れることで、心を軽くしたり、より望ましい行動をとることができるようになったりするのです。この「ネガティブな物事の捉え方」を認知の歪みと言います。ストレスやショックを受けた際、その根源にある認知の歪みを修正する、そのための手法が認知行動療法です。

フレームワークを使ってノートに書き出す

では、実際どのように認知行動療法を用いて気持ちの切り替えをするのか説明します。「嫌だなぁ」と思ったことを「嫌だなぁ」で終わらさずに、分解して、深堀りして、考え方を転換させる、この一連の流れをフレームワーク化してノートに書き出していきます。

  • 出来事、状況:実際に起こったこと(客観的な事実)

  • 認知:どう思ったか

  • 感情:どんな感情がどれくらいあるか

  • 身体反応:体に反応はあったか

  • 行動:どんな行動をとったか

  • 再検討:ほどほどに現実的で肯定的な認知(ポジティブな捉え方)、望ましい結果

  • 変化:どのように感情や思考が変わったか

この7つの項目をノートに予め書いておき、項目に沿って埋めていきます。

出来事、状況:実際に起こったこと(客観的な事実)

どんなシーンで、何があったか、誰にどんなことを言われたか、具体的に書き出します。主観的な感想はなるべく除いて、シンプルな内容が望ましいです。

認知:どう思ったか

頭の中に自然に湧き起こる考えを書き出します。これを自動思考とも言います。また、少し深堀りしてもいいでしょう、「過去にこんなことがあった」なども認知に影響があります。

感情:どんな感情がどれくらいあるか

喜怒哀楽や感情の動きをひとことで表します。複数あっても構いません。悲しかったとか、ドキドキしたとか、残念だった、とか。そして、それが何%くらいあるのか書きます。

身体反応:体に反応はあったか

ストレスを受けたとき、体にも反応が出ることがあります。心の動きだけではなく、体がどうだったかも書き出します。こうして精神的な部分と肉体的な部分の両方とも観察することで、ある種のマインドフルネスの瞑想効果があります。

行動:どんな行動をとったか

思考があって、体の反応もあって、その結果、自分が何を言ったか、何をしたかを書き出します。これは主観的にでも客観的にでも構いません。

再検討:ほどほどに現実的で肯定的な認知(ポジティブな捉え方)、望ましい結果

どんな思考があって、どう行動したか、振り返ってみて、きっと後悔や戸惑いがあったことだと思います。
そこで、改めて、どんな捉え方をすると良かったか見つめ直します。客観的な事実を見直してみて、自動思考に引っ張られていることはないか、つまり認知の歪みがないか、確認します。ネガティブに感じられたことも、もしかしたら勘違いかも知れない、相手の都合があったのではないか、そんなに気にすることないのではないか、などほどほどに現実的で悲観的ではない=肯定的な捉え方に気付きます。やや大袈裟に自分の都合のいいような捉え方でも良いでしょう。
もしそのような捉え方ができたとしたら、違う行動が取れたのではないでしょうか。

変化:どのように感情や思考が変わったか

これらのプロセスを経て、気持ちが落ち着き、ストレスやショックも和らぐ効果が得られます。そうして当初感じていた感情や思考がどう変わったかを記録します。感情自体がネガティブでないものに変わったり、ネガティブなままでもパーセンテージが下がったり、きっと自分自身にとって良い変化を得られると思います。

まとめ:認知行動療法でセルフケア

認知行動療法でのセルフケアは、いつでもどこでも手軽に気軽に自分でできます。
また習慣化することによって、認知の歪みに気づき、より良く過ごせるような癖づけができたら最高じゃないですか。僕はそう思って、日常のストレスやショックを受けた時には、いったん立ち止まるようにしています。

このnoteを読んでくださった方が、なるべくポジティブに暮らせますように。

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