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ジェンダーダイバーシティの解消は1日にしてあらず

先週、こちらのシンポジウムに参加してきました。

気付きをまとめます。


はじめは「違和感」から

基調講演として、片山善博先生より「ジェンダーダイバーシティが導く組織の未来」のお話を聞きましたが、ジェンダーダイバーシティの施策を進めるきっかけは、「違和感」からだったとのこと。

なぜ管理職は男性?
女性は庶務ばかり?
市役所に入った時は4割くらい女性なのになぜ?

私は、片山先生と言えば「鳥取県知事」をされていたイメージを持っていたのですが、まさに鳥取県知事に就任され、組織の長になった時に、どのようにジェンダーギャップを解消されていったのか、細かなプロセスをお話くださいました。

小さな違和感から、調査を開始。

すぐに、男女の管理職比率は、「作られた能力差」と判断し、このままでは「組織としてのロス」(女性が能力発揮出来ないことはもったいない)ということで、具体的なジェンダーギャップ解消に向けて、行動を変えていったとのことでした。

この、小さな違和感に30年前に気付かれた片山先生。お子さんが6人いらっしゃり、子どもがもう少しで生まれるのに転勤の辞令が出たり、ご自身の原体験から「違和感」を感じるように変化していったとおっしゃっていたのが印象的でした。

「組織の上層部が気付くこと」。ここに気付くかどうか、とても大切で、気付いた上で行動に移す上層部がいることで、組織には大きな変化が起こることを感じました。

具体的な施策

組織のジェンダーギャップを解消するための手段は数多あると思いますが、片山先生は「権力があり激務、女性が働けない職場である財政課」に焦点を当て、男女共同参画を始めたとのこと。

・1/3女性を配置(女性に仕事を頼みに行く必要がある状況を作る)
・人員を増やす(働き方改革、残業是正)
・DX化
・業務の平準化
などなど

一気に変わらないけど、トップがやると決め、実行に移したことで、ジワジワ、そこに働く人たちの意識が変化していったとのこと。

現在では、男性育休の取得のハードルも下がり、女性の社会進出と、男性の家庭進出・地域進出など、働いていれば良かった時代から、1人何役も役割を持つことで、複合的に成長していく仕組みになっているとのことでした。

フェアな対話

最後に、「対話」の重要性についてお話されていました。
「本当に必要?」忖度なしで話をすること、多様な人が働くことになった職場の中で、意見を言い合える風土を醸成することで、実際の生活と政策とのズレも減ったとのことでした。

会社組織の中での対話は、どうしても「会社の中の自分らしいことを言う」「上司の求める正解を言う」など、忖度が生じやすいですが、その中でもフェアに対話することを意識していくことで、表面的なジェンダーギャップの解消ではなく、本質的な変革に繋がっていくのだと感じました。

どのお話も興味深かったですが、何より私が感じたのは、「組織のトップはビジョンを掲げ、それに向けて中長期的な目線で行動を続けること」が大切ということ。

たくさんの失敗を重ね、その失敗も失敗で終わらせずに次に繋げていく。
時間軸を伸ばし、成果に繋がるまで根気強く、粘り強く施策を推し進める。

周囲がやっているからやらなきゃ、ではなく、本気で変わる必要性感じて想いを持って進めるからこそ、周囲を巻き込みながら変革していけるのだと感じました。

書籍のご紹介:女性リーダー「ロールモデル」

下記書籍が出版されたとのことで、本の紹介。

女性が活躍するに当たり、「ロールモデルが不在」という声が聞かれる中、社外のロールモデルの「ライフキャリアストーリー」をまとめた書籍として出版されたとのこと。

確かに、研修を行っていても、女性活躍の研修の中に先輩社員のロールモデルトークを入れていることが多く、「聞けて良かった」「具体的なイメージが出来た」など好評な部分なので、女性の活躍を支援するに当たり、多様なロールモデルを発信していくことは重要だと感じます。

さらに、この書籍の中では、ロールモデルのみなさんの「共通点」を8つの項目でまとめていることも印象的でした。私自身も、自分に出来ていること、足りないことを考えながら、話を聞いていました。

ロールモデル対談

その後、ロールモデルの3人のみなさんのお話を伺いました。
私の走り書きのメモ。

・私が上司になった意味を考える
・プレッシャーはなくせる
・上司になると見える景色、情報量が変わる、横の繋がりも変わる
・組織はチーム、チームの中で能力を最大限発揮出来る方法を考える
・上司と部下は役割が違うだけ、上下ではない
・「得意」周囲から見て助かることを意識してチカラを発揮する
・経営者を知ろうとする、経営を近くで感じられるように行動する

など
今の私にとって、考えたい問いも多く、たくさんの気付きがありました。

シンポジウムに参加してみて

私はDEI分野の学びを深めていこうと思い行動していますが、ジェンダーギャップの話や女性活躍の話は、難しいことを知ることが大切なのではなく、目の前にある「当たり前」のことをコツコツやることからも影響力を広げていけることを感じます。

専門家や、会社組織、上司、偉い人たちがなんとかする話ではなく、日々仕事と家庭の両立に頑張っている当事者である私たち一人一人が、何気ない日々の中で、「小さな一歩」を踏み出していくこと、在りたい姿に向けてコツコツ行動を変えていくことが、大切。

出来ない理由を探すのではなく、自分が出来ることを考え、その中から無理なくはじめられることをやっていこうと、気持ちを新たにしました。

とても分かりやすく、そして女性の気持ちに配慮しながらシンポジウムを進行くださった片山先生の人柄、懐の大きさに感動しながら、私も身近な人への影響力を高めていけるよう、日々進化していきたいと思います。



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