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ショートシュート

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短編集を集めてみました
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#スターボーン

大きな砂時計(2分位で読める小説)

暑い日差しを浴びながら、
僕はユニシロに向かっている。
この前購入した「笑いの壺」のクレームを言いに
ユニシロに行くのだ。
ユニシロは、いつもの様に閑散としていた。
…あんないい加減な物を売っているから、
お客が来ないんだ…
と、僕は怒りと同時に腹で笑っていた。

店に入るなり僕は勇んで店長を呼びつけた。
店長はいつもの様に揉みてをしながら、
僕のところにやって来る。
「あの〜、この前購入した笑い

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同志として(同志でない人にはどうでもいい話し)

同志として(同志でない人にはどうでもいい話し)

人の痛み、苦しみなど所詮他人には解らない。
私もそうであろう。肉体的な痛みだと、経験した事であれば、
少しは理解できるかも知れない。
だけど、精神的な苦痛は、私には経験が無いので、
痛みを想像するくらいしか出来ない。

精神を病み、自死する人もいる。
他人に虐められて、引き篭もりになり健康を損ね
人間不信に陥る事もある。

虐めがSNS上で起こり多くの人達からのバッシングを受け
反論もできず、悲し

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非情怪談(1分で読める小説)(410字)

非情怪談(1分で読める小説)(410字)

夏が来ると私は、怪談話を子供達に聞かせている。
それは現実に起きた話。
地球上で起きた最も怖い話。
怯えながらも聴く子供達。

私は子供達に伝えたかった。
人間の持つ悪性を!
何故、人間は殺し合い、大きな戦争を起こすのか!を。

人間の怖さ。人間の愚かさ。人間の非情さ。
人間こそが本物の妖怪・悪魔。
その妖怪の話を私は毎年、子供達に語る。
私の想いを伝えたい。
だが、その想いは空虚。
幾ら語っても

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非情怪談➕無常会館(1分で読める小説)(410字)

非情怪談➕無常会館(1分で読める小説)(410字)

街をぶらついていると、不思議な建物を見つけた。
看板に「無常会館」とある。
…無常会館って何?…と思っていたら何故か体が勝手に動きだす。
会館には入り口の扉が無い。
僕は誘われるかの様に、その会館の中に入っていく。
すると不気味な声。
耳を澄せると聞こえてくるのは怖い話

…どの部屋で語っているのか?…
聞き耳を立てながら僕は会館の奥に入って行く
だが、どの部屋にも人がいない。
声は段々と大きくな

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この世の真実(スター☆ボーン&貴福華衣)(結)➕追伸(1600字)

この世の真実(スター☆ボーン&貴福華衣)(結)➕追伸(1600字)

突然、彼女はあの有名な「ボケ探偵団」の歌を口ずさむ。
この歌は今、爆発的に売れている
エロ河乱歩の小説
「買人二十円装と闘うボケ探偵団」
のテーマソングである。
その小説の説明はさて置き、

私は彼女の疑問に真摯に答える「その時」
が来ていると、感じていた。
それは、「釈尊が法華経を説く時」と、同じである

「君にもっと解り易く言うね。時計を想像して下さい。
小さな歯車が精妙に繋がりあい、リズムを

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この世の真実(スター☆ボーン&貴福華衣)(転2)➕追伸

この世の真実(スター☆ボーン&貴福華衣)(転2)➕追伸

…この世の真実!この娘はすごく深い哲学を求めているのか?…
私は、彼女の手を取り立ち上がらせる。
スカートに付いた砂を払うことも無く、
じっと私の目を見てくる彼女。
その瞳の奥に、「この世の真実を知りたい」
と言う強い想いが感じられた。

「この様な難しい事を話すには、外での立ち話では出来ません。
だからと言って、ボケトリオのいるこの大衆食堂では無理だと思います。
少し落ち着いた場所に行きませんか

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この世の真実(スター☆ボーン&貴福華衣)(承)(500字の小説)➕追伸

この世の真実(スター☆ボーン&貴福華衣)(承)(500字の小説)➕追伸

僕の目に飛び込んできたのは、あどけない瞳を持つ女性であった。
だが、苦しそうな姿は何を表しているのだろうか?
…この娘は、食堂から出てきたばかり、食べすぎたのか?…
と、僕の脳裏に閃光が走る。
「どうしたのですか?お嬢さん。辛そうですが」
と、優しく言ってみた。

「・・・・」
何も語らず、僕の顔を見つめる不思議な娘。
「どうしたの? 身体辛いの🥵?」
「少し、めまいがして・・・」
と、声が弱い

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ムーンリーバー(300字)

ムーンリーバー(300字)

映画「ティファニーで朝食を」の主題歌ムーンリーバー。
この歌を初めて聴いたのは、中学生の頃だった。
その頃の僕は、洋画に興味を持だしていた。
それと同時に、映画音楽が好きだった。

ムーンリーバーは、はるか昔の曲だけど、聴くたびに新鮮に感じ
甘く切なく、そして深い哀愁を感じさせてくれる。
その映画も観たけど、オードリーヘップバーンの美しさだけしか
印象に残って無い。
残っていたのは、
「ムーンリー

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始まりはいつも・・・(300字の小説)

始まりはいつも・・・(300字の小説)

始まりは、何故かビール。

居酒屋に行くたびに、
「取り敢えずビール」を無意識で注文してしまう。
お酒の種類はいっぱいあるのに何故?

1番バッターはビール。
先ずは軽く塁に出る事🟰軽く酔うのはビールに限る

2番バッターはチュウハイだ
どんな物にも対応できる柔軟さ
水で割ったり、炭酸で割ったり
何でもありのお酒だ

3番バッターは日本酒だ。
一つ一つに個性がある。
水で割ることもない純粋さが魅

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