ノーベル文学賞的中予想と海外文学の需要
上野駅の待ち合わせで、時間を持て余していた。その時に上野駅そばの書店で今年のノーベル文学賞受賞者の作品を探したがない。ハン・ガン「菜食主義者」は1冊もない。そこそこ大きなお店なのに、海外文芸棚は一本しかない。日本文芸の棚はやたらにあるのに。そもそも海外文学は売れない。だからとても高い。それだけ日本人読者が、海外文化に疎くなっているのを象徴している棚構成である。だからこそ歌でも(BTS)でも、映画でも(パラサイト)でも、文学でも(菜食主義者)、日本🇯🇵が韓国🇰🇷に国際的評価で遅れをとっていることを実感する。
ノーベル文学賞を予想する日本の読者集団が「(受賞者が)当たった🎯」と喜んでいた。しかし書店では「受賞者を当てられなかった」🎯ということか(そうあちこちの書店店頭在庫を確かめたわけではないが)。そういう意味で、本のプロであるはずの書店に物足りなさを感じる(ちなみにAmazonではカート落ちしていない)。おそらく出版社は大騒ぎだろう。ノーベル文学賞受賞ともあれば、重版にもお伺いを立てねばならないかもしれない。そうなると商品供給は、余計に時間がかかることだろう。在庫が足りないなら、電子書籍ならいくらでも売れて便利なことこの上ない。ただし海外文芸は電子書籍ではアドバンスが少ないことから、電子書籍化されていることが少ない。本書もその例外でないことが残念。
https://www.amazon.co.jp/菜食主義者-新しい韓国の文学-1-ハン・ガン/dp/4904855027/