シェア
鳥野みるめ//photographer
2020年8月29日 12:51
--------------------------------------------柳沼雄太様こんにちは。暑さもようやく落ち着き、にわかに秋めいてまいりました。夜道を歩いていると、虫の声が聞こえたり昼間より涼しい風が吹いてもう秋を感じます。今年の夏は例年と違い遠くへ行くことはかないませんでしたが、鶴岡八幡宮のぼんぼり祭りを見に行ったり、早起きをして大仏の裏山を散歩したり
書肆 海と夕焼 / 柳沼雄太 (文芸評論家)
2020年8月20日 09:37
--------------------遠回り あの夜から幾度目かの朝を迎えている。部屋の窓から見える家のアンテナは、首を伸ばして朝が訪れる音を聴いているかのようである。瑠璃色の空が徐々に白色へと変わりゆく様相は、僕の気持ちを明快に表しているようで気持ちが良く、穏やかな風にそよぐ緑も祝祭の前の群衆のさざめきのような気がして、どこか誇らしい気持ちにもなる。 彼女と連絡を取ることができ
2020年8月14日 23:10
--------------------------------------------柳沼雄太様こんにちは。梅雨が明けてからは夏らしい青空と暑い日が続いておりますが、東京も気温の高い日が多かったのではないでしょうか??先日届いたお手紙を読んで「よだかの星」を読み直してみたくなり「宮沢賢治 <ちくま日本文学全集>」を購入しました。昔、初めて読んだときは「勿体ない死に方、可哀想な
2020年8月13日 08:00
本記事では写真家・鳥野みるめさんと、私、書肆 海と夕焼 店主の柳沼雄太がnoteのマガジンにて連載している「往復書簡:ひびをおくる」についての概要をお伝えします。初めてお読みいただける方も、途中からお読みいただいた方も改めて楽しんでいただきたいという思いのもと、筆を執りました。1.往復書簡:ひびをおくる とは 「往復書簡:ひびをおくる」は、写真家・鳥野みるめと書肆 海と夕焼 店主・柳沼雄太の
2020年8月7日 09:51
--------------------人影と足取り どれほど歩いただろうか。果てなく続くような街並みの中で、いまだに歩みを続けていた。民家や居酒屋から漏れる光もいつしか消え、街は人々の生活とともに眠りについたようだった。生温かい風は吹くことを止め、茫とした空気だけがそこに残っていた。 何も聞こえなかった。通り過ぎる人の足音や、吹き抜ける海風や、街に眠る人々の息づかい。そのいずれも