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書評『死はすぐそばに』ホーソーン&ホロヴィッツが挑む死の謎と人間の本質に迫る推理小説の魅力

「死」は身近な存在か?


『死はすぐそばに』は、ホーソーン&ホロヴィッツ・シリーズの新たな章として、推理の面白さだけでなく、「死」というテーマに真正面から取り組んでいます。このタイトルを見たとき、あなたはどんな感情を抱きましたか?「死」という現実は、常に私たちのすぐそばにありながら、普段は目を背けがちです。しかし、この作品ではその現実が、物語の中心に据えられています。

探偵ホーソーンと作家ホロヴィッツのユニークなコンビ


本作の魅力のひとつは、ホーソーンとホロヴィッツという対照的なキャラクターのコンビです。探偵ホーソーンは、直感的でありながら論理的な推理力を持ち、冷静に事件を解き明かしていきます。彼の冷徹さや過去の秘密は、彼をただの名探偵に留まらせません。一方で、彼の相棒である作家ホロヴィッツは、人間的な感情を持ちつつも、しばしばホーソーンのやり方に振り回されます。この二人の対比が、物語全体に独特の緊張感とユーモアを生み出しています。

「死」を巡る深い問いかけ

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1,246字

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