糖尿病患者のリハビリ
地域を明るくするリハビリテーション専門職の会 大和の岡原です。
当会は、市民活動団体として地域を明るくすることを目的に活動しています。
今回は市民活動ではなくリハビリに関する記事です。
私は普段、回復期病棟で理学療法士として働いています。
私より若いスタッフも多く、指導する機会もあるので学習する必要があります。
この記事では、糖尿病患者に対するリハビリについて色々と調べて軽くまとめてみました。
糖尿病とは
糖尿病は、インスリンというホルモンの不足や作用低下が原因で、血糖値の上昇を抑える働き(耐糖能)が低下してしまうため、高血糖が慢性的に続く病気です。
1型糖尿病と2型糖尿病があります。
1型はインスリン依存型とも呼ばれ、自己免疫疾患などが原因でインスリン分泌細胞が破壊されるもので、インスリンの自己注射が必要です。
一方で2型はインスリン非依存型と呼ばれ、遺伝的要因に過食や運動不足などの生活習慣が重なって発症します。
血糖とインスリン
私たちが食事をすると、栄養素の一部は糖となって腸から吸収されます。
寝ている間など、食事をしない時間が続くときには、主に肝臓により糖が作られています。糖はからだにとって大切であり、食事をしたときも、食べていないときも、常に血液中を流れています。
糖は血液の流れに乗って、からだのあらゆる臓器や組織へめぐります。
血液中をただよい、筋肉などの細胞までたどり着いた糖は、同じく血液中に流れていたインスリンの助けを借りて細胞に取り込まれます。
取り込まれた糖は、私たちのからだが活動するためのエネルギーの源となります。
インスリンは細胞のドアを開ける鍵のような役割を果たしています。
インスリンの働きによって、細胞の前まで到着した糖はすみやかに細胞の中に入り、糖は血液中にあふれることなく、血液中の糖の濃度は一定の範囲におさまっています。
インスリンが十分に働かない?
糖尿病になるとインスリンが十分に働かず、血糖をうまく細胞に取り込めなくなるため、血液中に糖があふれてしまいます。
これには、2つの原因があります。
インスリン分泌低下:膵臓の機能の低下により、十分なインスリンを作れなくなってしまう状態。細胞のドアを開けるための鍵が不足しているので、糖が中に入れず、血液中にあふれてしまいます。
インスリン抵抗性:インスリンは十分な量が作られているけれども、効果を発揮できない状態。運動不足や食べ過ぎが原因で肥満になると、インスリンが働きにくくなります。鍵であるインスリンがたくさんあっても、細胞のドアのたてつけが悪く、開けることができません。この場合も、血液中に糖があふれてしまいます。
糖尿病ではこの2つが影響して、血糖値が高くなってしまいます。
運動療法開始時間は?
ここがメインのところです。
糖尿病患者に対する運動療法の最大の副作用は低血糖です。
そういった点から、実施時間帯を食後1時間後く らいから開始すると、食後の過血糖も抑えられ、しかも食前の低血糖も回避できる可能性が高いです。
血糖コントロールにもよりますが、食後 3~4 時間以後の強い負荷での運動療法は避けたほうがよいと言われています。
特に入院中にインスリンを用いている場合は、導入前の食後血糖値が 200~300mg/dl でも、運動療法を継続することでその値が改善され、食前に低血糖を誘発する場合も考えらます。
高齢者では無自覚性の低血糖も稀ではなく、食前血糖値がインスリン投与量が一定の場合でも降下してきたら、十分な注意が必要です。
引用:「糖尿病の リハビリテーション」53_845.pdf
なので一律には言えませんが、リハビリ時間も考慮が必ず必要です。
リハビリ内容だけでなく、こういったことも気にかけながら指導していきたいと思います💪
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