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“Speech” — is a prank of Parliament — を訳しながら20211116
“Speech” — is a prank of Parliament —
“Tears” — a trick of the nerve —
But the Heart with the heaviest freight on —
Doesn’t — always — move —
発言は議会のいたずら
涙は神経の
しかし重荷を負った心はそのたびに
いつも
動いているとは限らない—
speechとparliament、
tearsとnerveは斜字になっていたのですが、
斜字の打ち方が分からず……
ひとまず普通に書かせていただきます。
さて、
今回の詩は短く、
文章もひとつひとつみれば特に難解でもありません。
それなのに、
何を言っているのかよく分からない。
ここ数日、この詩の内容についてあれこれ考えている中で、
ああ、やっぱり詩ってそういうものなんだな、
詩っていいな、と改めて思いました。
どういうことかと言いますと……
言葉の意味は分かるのに詩が分からないということは、言葉より詩の対象のほうが大きいということです。
つまり詩は言葉をつかって何か言葉より大きなもの、広いもの、深いものに触れようとしている、言葉をそのために使っている、と言っても良いでしょう。
だから言葉だけ分かってもよく分からないことがあるし、
この言葉でどういうことを言おうとしたんだろう、と言葉の先にあるものを想像してみることが大切で、そうやって言葉を手がかりにあれこれ考えてみることが楽しくて、だから僕は趣味で詩を訳しているんだな、と。ふと今回の詩でそういうことを実感したのです。
かさねて、今回の詩の言葉でいうspeechというのは、議会での演説にしろ、日々のコミュニケーション内での発言にしろ、むしろ詩とは対照的に、「伝えたい内容と言葉が完全に一致している状態」が理想とされていて、言葉の使いかたもそのようになっている、といえないでしょうか。的確に、簡潔に、明瞭に、優秀に……
社会の営みの中で日々私たちが使っている言葉は、多くがこのspeechなわけですが、speechばっかりの生活に窮屈さを感じたりもして、
仕事が終わった夜、
テレビを見たり、
歌を聴いたり、
仲間と飲みに行って、語らったりするのかもしれません。
……脱線しすぎたので詩の内容についてはまた次回書きます。
『THE COMPLETE POEMS OF EMILY DICHINSON』
THOMAS H . JOHNSON, EDITOR