見出し画像

ヘミングウェイと京都20210814

よく行くショッピングセンターで京都物産展をやっていたので覗いてきました。

「今は行けないから気分だけでも」

このようなフレーズにはいささか食傷気味で、物産展を見たときも初めは「行ってもないのに行った気になるのは危ない」という警句めいたフレーズが反射的に浮かんできて、遠巻きに様子を伺っていました。

しかしよく考えてみると、気分だけでもどうですか、なんて物産展の人に言われたわけでもなし、そもそもここで食べ物買って帰って食べたら、それはもう気分だけではないはずです。と、まあごちゃごちゃ考えていたのは要するに、僕は物産展を覗いたくらいで京都に行った気になったりはしないので物産展を覗いても大丈夫だ、という口実が欲しかったのでしょう。

しかし結論をいうと京都を感じました。

行った、ような気がしました。

本当にちょっとですが。……

「何を見ても何かを思い出す」

これはたしかヘミングウェイの短編のタイトルだったでしょうか。何か、の部分が京都です。最近やっているゲームの登場人物がヘミングウェイをよく引用するので、僕もそれにつられているのかもしれません。それはともかく、

京都の物を見て、触れることで、今までに何度か行った京都の記憶が刺激され、思い出が再生されることで、僕は京都に行ったような心持になった、ということだと思います。もしこれが北海道(行ったことない)の物産展だったのなら、北海道に行ったような気にはならなかった、そんな気がします。

「行った気になることができるのは、行ったことのある場所だけだ」

ヘミングウェイ風の文句に仕立てるつもりが、これはコードギアスのルルーシュみたいでは?……

「撃っていいのは、撃たれる覚悟がある奴だけだ」
でしたっけ?好きなセリフです。

「行ったことのない場所に、行った気になることはできない」

うんうん、こっちの方がヘミングウェイっぽい。それはさておき、

子どものころなら真っ先に八ツ橋の売り場を探して駆けつけるはずのところ、せんべいやおかきがとても魅力的に見えたり、着物の模様を愛でたり、焼き物の手触りに唸ったり、山椒を買って帰ろうか真剣に悩んだり、を経てからの最後に思い出したように八ツ橋へ向かうあたりには、自分の成長を感じました。



画像1

結局八ツ橋なんですけどね。……

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?