読書感想文~忘れ雪~
この本のことは今でも記憶に残っています。
もう10年以上前、まだ学生だった頃に父が買ってくれた本です。
「本が欲しい」とねだって買ってもらった小説でした。
残念ながらもう手元にはありませんが、
本についていた紐のしおりがボサボサになるくらい、
何度も何度も読み返したのを覚えています。
ラストは本当に泣きました。
こんなにも想い合っていて、
こんなにもすれ違って、
こんなにも純愛なのに、
こんなにも悲恋なのかと。
ハッピーエンドだった?と聞かれれば、
首を横に振りますが、
胸が苦しいバッドエンドだった?と聞かれれば、
それもまた首を横に振ります。
その理由は、
小説の中の登場人物が、
最後まで前を向いていたからでしょう。
恋人を亡くし、
想い人を亡くし、
家族を亡くし、
残された者たちが、
生きることを捨てなかった。
だから、結末が悲しくても、
何度も読んで涙を流しても、
最後には心に爽やかな風が吹いて、
あぁ、この人達は生きることを選んでくれたのだと思えたことが、
力強く、私の中に刻み込まれていったからだと思います。
また、この本をきっかけに、
新堂冬樹さんの本は何冊も読みました。
ピュアなお話も、
暗い闇のお話も、
私はどちらも大好きです。
(ちなみにダークなお話では『悪の華』シリーズが大好きです。ガルシアさんが大好きでした)
最初に新堂冬樹さんの本を手に取ったのは、
本当にたまたま、偶然なことでしたが、
出会っていなければきっと、今の私はなかったことと思います。
私の人生に大きな影響を与えたもののうちの一つを、
今日この場でお話しできたこと自体、嬉しく思いました。
自己満足な感想文で申し訳ありませんが、
それくらい大切な本です。
素敵な出会いをありがとうございました。
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