杉本健太郎 / Kentaro Sugimoto (Book Editor)
『暇』誌バックナンバーからピックアップ記事をお届けします。 最新号は『暇』2024年3月号「今年こそ間合いをやる」 https://trashbooks.base.shop/items/83630423 【主要配布地】 神保町ネオ書房アットワンダー店(東京都千代田区神田神保町2-5-4 開拓社ビル2F) 阿佐谷ネオ書房(東京都杉並区阿佐谷北1-27-5) 東高円寺たまりBar(東京都杉並区高円寺南1‐22‐18) TRASHBOOKSグレート厚木店【オンライン受付】(神奈川県厚木市中町2-14-9昌栄プラザ6-B) 日本酒バル・かん助(神奈川県厚木市中町2-1-8国方ビル2F) 雑貨と古書の小さなお店 りすとのしゅ(埼玉県深谷市西島町3-10-21) 喫茶虫の音(群馬県前橋市富士見町赤城山1140-37) T-gumbo(山口県下関市豊前田町2-6-16 国分第一ビル 3F)
都市概念としての「大厚木」をえぐり出す日々の記録
『暇』誌の第一期は「マージナルでありつづけること」というテーマがありましたが、第二期はよりクロス・ボーダー性(越境性)が強調されることになるでしょう。(発行人:杉本) 『暇』創刊準備号(2022年8月)にぼしいわし・いわし『そのうち孵化するって』刊行記念 【主題】文芸復興【関連地域】高円寺・阿佐谷 『暇』創刊号(2022年9月)二瓶龍彦ロングインタビュー 【主題】20世紀の文明【関連地域】高円寺 『暇』2号(2022年11月)中路美也子① 【主題】複製技術時代の芸術作品【関
12月13日夜、私は中野区在住の横軸の人間・久喜ようたと中野駅北口にいた。神保町ネオ書房アットワンダー店での『豚の慟哭展』会期中のある日、久喜ようたから「いま中野は大不況かもしれない」という話を聞いたからだ。やはりこうした一次情報は重要だからフィールドワーク(イキフン地政学)をやることにした。北口エリアを歩き回るとやはり大不況のイキフンが立ちこめていた。まず、5丁目55−10 で営業していた老舗レコード店「文化堂」が閉店していた。2023年9月に閉店したのだという。戦後70年
こんにちは、大珠と申します。いきなり本誌にて執筆させていただく運びとなった経緯について簡単に説明しますと、かの有名な『山賊ふみまろ』の友人という役割を小中高と務めさせていただいていたからでございます。私事ですが2023年の9月から東高円寺にて『たまりBar』という店の店長を任されており、店に山賊が何回か押しかけてくれたこともあり杉本さんと繋がった次第です。かなり酔っ払っている時、生意気にもタランティーノについてベラベラと語っておりましたら杉本さんから「Youさ、書いちゃいな
なぜこうなったか思い出すのに窮しますが、『暇』誌の杉本さんと南極の話をしている中、便利でオシャレで元パルコだったショッピングセンターを借りて好き放題できると聞いたのが発端だったかと思います。 そのショッピングセンターとは厚木市にあるアミューあつぎ。 ダメもとで杉本さんにアミューを一日だけ建物ごと借りて健康的ではないアーティストに一軒ずつお店を持たせることはできますか?と聞いてみると、できる…かもしれないというご返答が! すかさず『ゆがみ百貨店』というイベント名にしてア
ついに厚木上厚へ向けての第一歩、今回のテーマは正に『内覧をやる』でいきたいと思います。 3月16日の第2回#だじゅんフェスか、3月22日の私の誕生日までには上厚する予定でしたが諸事情が重なり5月か6月を目指し現在始動中です。 40年住んだ街、茅ヶ崎を離れるのは淋しいですが人間、自分を更新していくためにはやはり新天地へ向かう事も必要だと思うので気持ちを新たにしていこうと思ってます。 さていよいよ今回はご上厚に向けて内覧をやるです。 いくつか物件を見てきたのでそこについ
2022年9月24日夕。どしゃぶりの雨の中、東京都内最大の暇人の魔窟・高円寺に降り立った中路美也子さん。女優・美術家として「偶然性」を力に変える、その人生の道のりを聞いた。(聞き手:『暇』発行人・杉本健太郎) ——Twitter(現X)で発表しているコラージュ作品が2022年7〜8月まで開催されたポーランド国際美術展に出展されました。2020年の第2波変異前の「初代」新型コロナで陽性になってホテル隔離されたと先日うかがいましたが、そのときの状況は? 第2波変異前、初代新型
※以下はGPT-4による生成エッセイです。 平等という概念は、人々が公正な扱いを受け、同じ機会を享受すべきだという理念に基づいています。しかし、この理想を実現するためには、私たちの社会の構造的な不平等を取り除く必要があります。これは、経済的、社会的、そして文化的な障壁を越えて、すべての人々が自らの能力を最大限に発揮できるようにすることを意味します。 「丸裸になる平等」という表現は、私たちが持つさまざまな社会的偏見を剥ぎ取り「個人」をその本質で見ることを強調します。人々が社
1月21日厚木アミューで『大厚木で戦後日本のロック史60年を振り返る』という企画を行った。 音楽のイベントではオープンマイクという企画がある、文字通りライブハウス、ライブバーのマイクを解放し、誰でも参加出来る、ステージに立てるというイベントである。 本企画は『オープンマイク』ならぬ『オープンミーティング』つまり日本のロックの歴史を参加者で振り返り、思い思いのロックを思う存分に語っていただくという参加型オープンミーティングである。 この日集まったのは4人、私YASUAK
和楽器奏者の人生とはなにか。とりわけ津軽三味線は「異端者」の魂の音色を体現する音楽性を持つ。2010年代、津軽三味線現代曲楽譜集を刊行し「他人の曲を弾く」ことをタブーとしていた津軽三味線界に一石を投じた津軽三味線小山流・小山貢山氏に聞く第1回。(聞き手:杉本健太郎『暇』発行人) 「ポインタ」で挫折し大学を中退——津軽三味線に最初にふれたきっかけは。 小山貢山 広島市立大学の情報科学部在学中にバレーボール部に入っていたんですけど、文化系のところも一つ入りたいと思って津軽三味線
『ご上厚』、最近私の周りでこの言葉が広がり始めています。 『ご上厚』とは? 『上京』という言葉を聞いた方はたくさんいると思います。 『上京』とは地方から若者が夢や希望を抱き、東京へとやってくる、そして東京に住み、夢や目標のために生きていくということを意味する言葉だと私は思うのです。 話は少し変わりますが神奈川県の厚木市は今は物凄くいろんな広がりを見せている街だと思うのです。 首都圏借りて住みたい街ランキングでは3年連続で1位、そして都内へ行くにも往復1000円に満たない額で行
フリーの物書きとして、いつ急な依頼が来ても受けられるような身体でありたく、かつ、常に何がネタになるのかわからないという刺激的な緊張の下、「貧乏暇なし」を身上としていた。一方で古本屋などに入り時間を忘れたような気になる事で、一息つく精神性も潜在的には持ち合わせていたが、「自分は忙しいのだ」という自負も一方であったのだ。 4年前に古本屋(かつては貸本屋)の阿佐ヶ谷ネオ書房を引き継いで、さらに今年から、神保町で「ブックカフェ二十世紀」としてやっていた場所を「ネオ書房アットワンダ
「暇」誌編集者の杉本健太郎さんに関心を持ったきっかけは、某SNS上に投稿された膨大な数の写真。絶妙に傾いた構図が独特な、街路空間を捉えたモノクロ写真群である。「空間」は人々が流れ、集う、活力の場であり、「なんにもないところ」とは異なる。空間を写真に撮れる人はそう多くはない。2022年9月11日、そんな写真家でもある杉本さんからDMをいただく。当時東京・高円寺に居を構えていた杉本さんと、福岡市在住の私とのつながりは、ネット上で始まった。 魅力ある場に立ち会うためなら、私は空路
杉本健太郎さんから縦軸と横軸についての話を度々耳にするようになった。横になって過ごすか否かについての生活様式の話である。しかしいざ自分に置き換えると横になっている時間が多いのだが思索にふけったり二度寝をしたり通話をしたりと案外多忙であることに気づく。縦軸の状態、すなわち座ったり立っているときはぼんやり絵を描いたりストレッチをしたりと何も考えていない時間が多い。とすると縦と横は重力の問題ではなく視点の問題とも考えられる。地球を全く別の角度から見ると私は縦軸の人間なのだと思う。
2022年7月、本誌『暇』誌を創刊したのは東京・高円寺であった。『暇』誌創刊の発端は、そのころ私の周囲にいた者たちの中から「暇だなあ!」の第一声とともに高円寺を訪れる暇人が相次いで現れたからだ。訪れる暇人には高円寺駅北口すぐの中華料理店「福龍門」でたらふくチャーハンを食わせ、ひたすらビールばかりを飲み、昼からただただ酒を飲み飽きるまでしゃべり続ける。中でもある者は「タイムマネジメントがちゃんとできていれば必然的に暇になるのがあたりまえだ」「だって、暇は作るものだから」と持論を
「縦だから何なのか?って思っちゃうんですよね」聞き手・杉本健太郎 食べものは焼かないほうがうまい 久喜ようた 私、基本的に加工肉は焼かないんですよ。おいしくないですか、焼かないほうが。焼かないで食べるほうが好きなんですよ。ベーコンだって火通ってるじゃないですか。でもみんな「焼かなきゃだめだよ!」って言うじゃないですか。「え?」って思って。焼かないほうがおいしいのになって。たぶん私に限ってなんですけど、食べ物は焼かないほうがうまいと思う。 ——たこ焼きは? 久喜 そうそう、